2010年2月8日月曜日

市街地建築物法施行令 4

市街地建築物法施行令 第4回目

第3條ノ2(不適格建築物ノ増、改、再築又は用途変更)

前3條ノ規定ニ依り現在地ニ建築スルコトヲ得ザル種類ニ属スル建築物ハ行政官ノ許可ヲ受ケ左記各号ニ規定スル制限内ニ於テ増築、改築、再築又ハ用途ノ変更ヲ爲スコトヲ妨ゲズ

前3条の規定(住宅・商業・工業地域内の規定)により現存する建築物に属する建築物は行政の許可を受け以下の各号に規定する制限内において増築、改築、用途変更をすることを認める再築って現在の建築基準法にはありませんね?
当時の建築用語集によると、「建物を取り壊した後へ略々同様の建物を建てること。」市街地建築物法上の解釈では、火災其の他の不可効力の原因により滅失したる建物を大体原型に復旧する行為をいう。とある。
何故「不可抗力」の場合がわざわざ定義されているのか不明です。


一 建築物ハ敷地ヲ拡張セザルコト

建築物は敷地を拡張してはならない

ニ 建築物ノ増築、改築、再築又ハ用途ノ変更ニ因り増加スベキ建築面積ハ現在地ニ建築スルコトヲ得ザルニ至リタル際現ニ存在スル建築物ノ建築面積ノ2分ノ1ヲ超過セザルコト

建築物の増築、改築、再築、用途変更にて増加する建築面積は既存部分の2分の1を超えてはならない。これも現在の基準法にはありません。

三 建築物ノ増築、改築、再築又ハ変更ニ因リ増加スベキ,床面積ハ現在地ニ建築スルコトヲ得ザルニ至リタル際現ニ存在スル建築物ノ床面積ヲ超過セザルコト

建築物の増築、改築、再築、用途変更にて増加する床面積は既存部分の床面積を超えてはならないこれも現在の基準法にはありません。

四 工場ノ常時使用スル原動機馬力数ヲ増加スル場合ニ於テ増加スベキ馬力数ハ現在地ニ建築スルコトヲ得ザルニ至リタル際常時使用スル馬力合計数ヲ超過セザルコト

工場で、常時使用する原動機の出力を増加する場合において、増加する出力は、その建物用途にて許可された出力合計を超えてはならない

五 前号ニ褐グルモノヲ除クノ外用途ノ変更ニ付テハ現在地ニ建築スルコトヲ得ザルニ至リタル際現ニ存在スル建築物ノ用途ニ類似スル用途又ハ設備ヲ変更セズ若ハ之ニ些少ノ変更ヲ加フルニ依り営ムコトヲ得ル用途ニ限ルコト

前号に掲げるものを除く用途変更については現在地に許可された建物用途に類似する用途又は設備を変更せず若干の変更程度に留める用途に限ること

2 行攻官庁地域ノ種別、上地ノ状況、事業ノ種類、作業ノ方法、建築物ノ構造設備、除害ノ設備又ハ装置等ヲ参酌シ特ニ支障ナシト認ムルモノニ付テハ前項第ニ号乃至第四号ノ制限ヲ軽減スルコトヲ得

行政が地域の種別、敷地の状況、事業の種別、作業方法、建築物の構造及び設備などで特に支障がないと認めるものについては前項第2号から第4号(面積の規定から出力の制限規定)の制限を軽減することができる

3 第26條ノ規定ニ依り建築ノ許可ヲ受ケタル建築物ハ前2項ノ規定ノ適用ニ付テハ之ヲ現在地ニ建築スルコトヲ得ザルニ至リタル際現ニ存在スル建築物卜看倣ス

第26条の規定とは市街地建築法第18条による、用途地域が変更した場合などのこと。現在の建築基準法でいう既存不適格建築物のことで、地域が変わった場合でも現在地に建築許可を得た際に存在する建築物とみなす


今回も1つの項目のみです。

市街地建築物法施行令 3

市街地建築物法施行令 私家版第3回目

第3條 (工業地域内にのみ許される用途)
 建築物左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ工業地域内ニ非ザレバ之ヲ建築スルコトヲ得ズ但シ第一号、第ニ号又ハ第四号ニ該当スル建築物ニシテ行政官庁衛生上有害ノ若ハ保安上危険ノ虞ナシト認ムルモノ又ハ公益上己ムヲ得ズト認ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ

以下の各号に該当するときは工場地域内でなければ建築することは出来ない。ただし、第一号、第二号、第四号に該当し、建築物にて行政が害がないと認めたときはこれに限らない。

一 常時使用スル原動機馬力数ノ合計50ヲ超過スル工場、但シ印刷工場、精密機器製作工場、製氷工場及冷凍工場ヲ除ク

常時使用原動機出力が50馬力を超える工場。ただし、印刷工場、精密機器制作、製氷工場、冷凍工場は除く。

ニ 左ニ褐グル事業ヲ営ム工場

イ 銃砲火藥類取締法ノ火藥類ノ製造

銃砲火薬類取締法の火薬製造

ロ 塩素酸塩類、過塩素酸塩類、硝酸塩類、黄燐、赤燐、硫化燐、金属「カリウム」、金属「ナトリウム」、「マグネシウム」、過酸化水素水、過酸化「カリ」過酸化「ソーダ」、過酸化「バリウム」、ニ硫化炭素、「メタノール」、「アルコール」「エーテル」、「アセトン」、醋酸「エステル」類、「ニトロセルローズ」、「ベンゾール」、「トルオール」、「キシロール」、「ピクリン」酸、「ビクリン」酸塩類、「テレビン」油又ハ石油類ノ製造

これは解説無くても判ると思います。要は可燃・反応性危険物の製造ですね。

ハ 燐寸ノ製造

マッチの製造

ニ 「セルロイド」ノ製造

セルロイドは可燃性があります。

ホ 「ニトロセルローズ」製品ノ製造

ニトロセルロースは塗料原料に使われることもあるが、火薬原料としても使用され、非常に可燃性が強い

へ 「ビスコース」製品ノ製造

ビスコースは当時、人造絹糸と言われたレーヨンの原料である。

ト 合成染料若ハ其ノ中間物、顔料又ハ塗料ノ製造(漆又ハ水性塗料ノ製造ヲ除ク)

この染料は水性系塗料は除かれている。溶剤系塗料と判断される。

チ 溶剤ヲ用フル「ゴム」製品又ハ芳香油ノ製造

これも溶剤を用いる製品製造となっている。

リ 乾燥油又ハ溶剤ヲ用フル擬皮紙布又ハ防水紙布ノ製造

ヌ 溶剤ヲ用フル塗料ノ加熱乾燥又ハ焼付

ル 石炭「ガス」類又ハ「コークス」の製造

石炭を使用しやすい状態になったものがコークスであるが、その段階で、昔の都市ガスが発生していた。石炭ガスには一酸化炭素が含まれていて有害であった。現在ではほとんど姿を消している。

ヲ 圧縮「ガス」又ハ液体「ガス」ノ製造(製氷又ハ冷凍ヲ目的トスルモノヲ除ク)

冷媒ガスを除くガス製造。

ワ 塩素、「ブロム」、「ヨード」、硫黄、塩化硫黄、弗化水素酸、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、苛性「カリ」、苛性「ソーダ」、「アンモニア」水、炭酸「カリ」、洗濯「ソーダ」、「ソーダ」灰、晒粉、次硝酸蒼鉛、亞硫酸塩類、「チオ」硫酸塩類、砒素化合物、「バリウム」化合物、鉛化合物、銅化合物、水銀化合物、「シアン」化合物、「クロロホルム」、四塩化炭素、「ホルマリン」、「ズルホナール」、「グリセリン」、「イヒチオールズルホン」酸「アンモン」、醋酸、石炭酸、安息香酸、「タンニン」酸、「アセトアニリド」、「アスピリン」又ハ「グアヤコール」ノ製造

これも反応性可燃物と毒物である。

力 蛋白質ノ加水分解ニ依ル製品ノ製造

タンパク加水分解物とは、「味の素」などの人工調味料のこと。

ヨ 油脂ノ採取又ハ加熱加工

これは動物性・植物性油脂の加工工場です。

夕 石鹸、「フアクチス」又ハ「ベークライト」ノ製造

ファクチスとは加硫油のこと。「フアクチス」では検索ヒットしません。一般にゴムを作るのに使用します。ベークライトはフェノール樹脂ですからプラスチック系加工に使用されます。

レ 肥料ノ製造ソ 製紙ツ 製革、製膠又ハ毛皮若ハ骨ノ精製

革、ニカワ、毛皮はわかりますが、骨もですか・・・

ネ 「アスファルト」ノ精製ナ 「アスファルト」、「コールタール」、木「タール」、石油蒸溜産物又ハ其ノ残渣ヲ原料トスル製造

ラ 「セメント」、石膏、消石灰、生石灰又ハ「カーバイト」ノ製造

特に説明は不要でしょうが、これらは臭い、粉塵、可燃爆発の危険性があるものです。生石灰の熱反応などは取り扱い次第では火災の可能性もあります。

ム 金属ノ溶融又ハ精練(活字又ハ金属工藝品ノ製造ヲ目的トスルモノヲ除ク)

活版用。工芸品を除く金属精製工場です。

ウ 電氣用「カーボン」ノ製造

電気用カーボンとは、モーターなどでは必需品です。日曜大工でモーター類を扱ったことがあるなら、消耗部品なのでわかると思います。

ヰ 金属厚板又ハ形鋼ノ工作ニシテ鋲打又ハ填隙作業ヲ伴フモノ

一般に鉄工所のことですね。最近は鋲打ちは珍しいですが。

ノ 鉄釘類又ハ鋼球ノ製造

釘はわかりますが、鋼球とは、一般にベアリングのことです。

オ 伸線、伸管又ハ「ロール」ヲ用フル金属ノ圧延

これらは、一般に大規模な製鋼所です。小規模な町の鍛冶屋は含まれません。

三 前号ニ掲グルモノヲ除クノ外行政庁衛生有害ノ又ハ保安上危険ノ虜アリト認メ命令ヲ以テ指定スル事業ヲ営ム工場


前号を除く行政が有害又は保安上危険な恐れがあると認めて指定する事業を営む工場

四 第ニ号イ、ロ、ハ、ニ及ヲノ物品、可燃性「ガス」又ハ「カーバイト」ノ貯蔵又ハ処理ニ供スルモノ

前号による可燃性物品の貯蔵及び処理に関する工場など

五 前号ニ褐グルモノヲ除クノ外行政官庁衛生上有害ノ又ハ保安上危険ノ虞アリト認メ命令ヲ以テ指定スル物品ノ貯蔵又ハ処理ニ供スルモノ

可燃性物品を除く行政が有害又は保安上危険な恐れがあると認めて指定されたものを貯蔵又は処理する工場など


今回も条文が長いので第3条のみアップします。

2010年2月5日金曜日

市街地建築物法施行令 2

市街地建築物法施行令  私家版第2回目です。

第2條(商業地域内の禁止用途)
1建築物左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ商業地域内ニ之ヲ建築スルコトヲ得ズ但シ第一号又ハ第ニ号ニ該当スル建築物ニシテ行政官庁商業ノ利便ヲ害スル虜ナシト認ムノレモノ又ハ公益上已ムヲ得ズト認ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ

商業地域で建築することが出来ないものは次のものである。ただし、第一号又は第二号は利便等支障がなければ行政許可を得ることが出来る。

一 常時使用スル原動機馬力数ノ合計15ヲ超過スル工場但シ日刊新聞印刷所ヲ除ク

15馬力ですから0.736kw×15=11.04kwになります。但し書きで新聞社の印刷工場は除かれていますね。

ニ 前條第ニ号ニ該当スルモノ但シ左ノ各号ノ一ニ該当スル事業ヲ用フルモノヲ除ク

前条第二号に該当するもの(住居系住居地域で禁止されている工場など)

イ 容量30リットル以下ノ「アセチレンガス」発生器ヲ用フル金属ノ工作

30リットル以下のガスを用いるので、少量ですね。

ロ 馬力数ノ合計0.25以下ノ原動機ヲ用フル塗料ノ吹付

0.25馬力以下ですから0.2Kw 程度以下の原動機ですから、かなり小さいですね。

ハ 原動機ヲ使用スル2台以下の研磨機ニ依ル金属ノ乾燥研磨

原動機を使用する2台以下の研磨機による金属の乾燥研磨 これは音と粉塵が出ます。

ニ 前條第七号乃至第九号ニ該当スルモノ

前条第7号から第9号に該当するもの火葬場、屠場、廃棄物処理場などです。

四 前各号ニ褐グルモノヲ除クノ外行政官庁商業ノ利便ヲ害スル虞アリ卜認メ命令ヲ以テ指定スルモノ

行政が利便を害するおそれがあると判断すれば命令を発し、指定出来る。基本的に商業地域は主としての用途が事務、問屋、小売商店、劇場その他の娯楽用建築物、警察署、消防署、郵便局その他雑種の商業に使用する建築物の規定がある。
工場等の制限は、その他規定により床面積の合計の1/4以上は製造工場に使用することはできません。又、製造工場を用途とする場合であっても無害安全なものに限られています。
実は、ここに書かれている条文、大正時代には第1号から第3号までは次のように書かれていた。


1 建築物左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ商業地域内ニ之ヲ建築スルコトヲ得ス一 常時五十人以上の職工ヲ使用スル工場又ハ常時使用スル原動機馬力数ノ合計十を超過スル工場但シ日刊新聞印刷所及行政官 商業の利便ヲ害スル虞ナシト認ムルモノ又ハ公益上己ムヲ得スト認ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ

当初は常時50人以上又は原動機10馬力数でした。緩和されたようです。又は軍需関係で緩和する必要があったのかもしれません。


今回は第2条のみアップです。

2010年2月4日木曜日

市街地建築物法施行令 1

市街地建築物法施行令の解釈をアップします。
あくまで私家版ですので、間違いがあるかもしれません。

市街地建築法施行令
第1條 (住居地域内の禁止用途)
1 建築物左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ住居地域内ニ之ヲ建築スルコトヲ得ズ但シ第一号乃至第四号ニ該当スル建築物ニシテ行政官庁住居ノ安寧ヲ害スル虚ナシト認ムルモノ又ハ公益上己ムヲ得ズト認ムルモノハ此ノ限ニ在ラズ

住居地域内には次の用途のものは建築することはできない。ただし、一号から四号に該当する建築物で行政が住居地域にふさわしいと認めた場合はこれに限らない。

一常時使用スル原動機馬力数ノ合計3ヲ超過スル工場

常時3馬力以上の原動機を使用する工場 
1馬力=0.736Kwなので、2.2Kw以上ですね。

ニ 左ニ褐グル事業ヲ営ム工場

次の事業を営む工場ここに記載されている内容は市街地建築物法改正後のもので、当初は別途施行規則により定められていました。

イ 玩具用普通火工品ノ製造

がん具用花火の製造工場

ロ「アセチレンガス」ヲ用フル金属ノ工作(溶解「アセチレンガス」ヲ用フルモノヲ除ク)(ち)

アセチレンガスを用いて金属加工をする工場

ハ 引火性溶剤ヲ用フル「ドライクリーニング」又ハ「ドライダイング」(ら)

ドライダイングって何でしょう?意味不明です。ネットで検索しても判らなかったです。ダイングだから死んでるの?ということはミイラ製造業?

ニ 「セルロイド」ノ加熱加工又ハ鋸機ヲ用フル加工

セルロイドとは最近あまり見かけませんですね。これ、結構可燃性があるので危険だったのです。

ホ 印刷用「インキ」又ハ繪具ノ製造(ち)

インク、絵の具の製造工場

ヘ 塗料ノ吹付卜 亞硫酸「ガス」ヲ用フル物品ノ漂白(ち)

ガスを利用する漂白工場は危険ですね。

チ 骨炭其ノ他動物質炭ノ製造

骨炭などの動物性活性炭、ろ過材の製造工場

り 羽又ハ毛ノ洗滌、染色又ハ漂白

毛・羽の漂白、染色工場

ヌ 襤褸、屑綿、屑紙、屑絲、屑毛ノ類ノ消毒、選別、洗滌又ハ漂白

襤褸(らんる)、クズわた、クズかみ、クズいと、などの消毒、洗浄漂白工場
「ボロは着てても心は錦」って歌があったと思いますが、元来は襤褸=ボロだと解釈していただいたら良いでしょう。

ル 製綿、古綿ノ再製、起毛、反毛又ハ「フエルト」ノ製造ニシテ原動機ヲ用フルモノ

綿の再生してフェルトなどに加工場で原動機を使用する工場

ヲ 骨、角、牙、蹄、貝殻ノ挽割若ハ乾燥研磨又ハ金属ノ乾燥研磨ニシテ原動機ヲ用フルモノ

骨や貝殻類の研磨加工工場

ワ 鉱物、岩石、土砂、硫黄、金属、硝子、煉瓦、陶磁器、骨又ハ貝殻ノ粉砕ニシテ原動機ヲ用フルモノ
カ 墨、懐炉灰又ハ煉炭ノ製造

墨、カイロ灰、練炭の製造工場

ヨ 活字又ハ金属工藝品ノ製造(ち)

活字又は金属工芸品製造活字製造ってところが時代を感じます。

タ 瓦、煉瓦、土器類、陶磁器、人造砥石、坩堝又ハ琺瑯鉄器ノ製造(ち)
レ 硝子ノ製造又ハ砂吹
ソ 動力槌ヲ用フル鍛冶

動力を使うと不可ですから、動力を使わない昔ながらの鍛冶屋なら住居地域でも可能と解釈できますね。

三 室面積ノ合計50平方メートルヲ超過スル自動車ノ車庫

床面積50m2を超える自動車車庫

四 劇場、活動写眞館、演藝場又ハ観物場

劇場、映画館など。活動写真館など、時代を感じますね。で、ここまでの用途なら許可次第で住居地域でも建築可能でした。

五 待合又ハ貸座敷

待合や貸座敷などは現代ではピンときませんが、これは風俗営業です。この時代はハッキリした売春行為が黙認されていました。(原則は売春行為は禁止だったのですが、実態は・・・)

六 倉庫業ヲ営ム倉庫

倉庫業を営む倉庫

七 火葬場又ハ産穢物処理場

火葬場はわかりますが、産穢って解りますか?「さんえ」と読みます。文字で連想するように出産時に出たもの(後産)を処理する場所ということです。

八 屠場又ハ死畜処理場
九 塵芥又ハ汚物ノ処理場
十 前各号ニ掲グルモノヲ除クノ外行政官庁住居ノ安寧ヲ害スル虜アリト認メ命令ヲ以テ指定スルモノ

8号9号は説明の必要ありませんね。10号についても行政が生活を害する恐れがあると認めた場合は不可とする。これも当然です。

これらは施行細則などでも詳しく記述ありました。そのうちそちらもアップできればいいですが、気長に待っていてください。
今回は長い条文なので、第一条のみのアップです。

2010年2月3日水曜日

市街地建築物法 その5

市街地建築物法私家版 第5回目

第二十一條 (訴願)
本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ規定シタル事項ニ付行政官庁ノ為シタル処分ニ不服アル者ハ訴願スルコトヲ得
2 本法ニ依リ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得ル場合ニ於テハ主務大臣ニ訴願スルコトヲ得ス

本法に基づいて発する命令に規定された事項につき、行政庁の処分に不服があるものは訴願することとする。
2 本法により行政裁判所に出訴する場合においては大臣に訴願することは出来ない。


第二十二條 (行政庁による違法行為)
本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ規定シタル事項ニ付行政官庁ノ為シタル違法処分ニ因リ権利ヲ毀損セラレタリトスル者ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得

本法に基づいて発せられる命令に規定された事項につき、行政庁の行為による違法処分により権利を毀損されたものは、行政裁判所に出訴することができる。


第二十三條 (適用される区域)
本法適用ノ区域ハ主務大臣ノ指定スル市街地トス
2 特別ノ必要アル場合ニ於テハ主務大臣ハ前項ノ市街地ノ外ニ亙リ本法適用ノ区域ヲ指定スルコトヲ得

本法の適用する区域は大臣の指定する市街地とする
2 特別の必要がある場合において、大臣は前項の市街地のほかに本法を適用する区域を指定することが出来る。



第二十四條 (適用される建築物等の範囲)
本法ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ建築工事中ノ建築物、建築工事ニ着手セサルモ設計アル建築物又ハ建築物ニ非サル工作物ニ之ヲ準用スルコトヲ得

本法は建築工事中の建築物、建築工事に着手していないが設計されている建築物、又は建築物に付属される工作物に準用される


第二十五條 (適用される建築物)
本法ノ全部又ハ一部ノ適用ヲ必要トセサル建築物ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム

本法の全部又は一部の適用を必要とする建築物は勅令をもってこれを定める。


第二十六條 (道路)
本法ニ於テ道路ト称スルハ幅員四メートル以上ノモノヲ謂フ
2 幅員四メートル未満二・七メートル以上ノ道路及道路ノ新設又ハ変更ノ計画アル場合ニ於ケル其ノ計画ノ道路ハ勅令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ道路ト看做ス

本法において道路と称するは、幅員4m以上のものをいう。
2 幅員4m未満2.7m以上の道路及び道路の新設又は変更の計画がある場合における計画道路は勅令の定めるところにより道路とみなす。
以前は9尺(2.7m)以上を道路とすると施行令にあったのだが、これも昭和になってからの規定である。大正12年の関東大震災以前とそれ以降の改正で、道路幅員や高さ制限などが厳しいほうに変更している。



  附 則
本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
  附 則 (昭和九年法律第四六号)
1 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
2 従前ノ第二十三條ノ規定ニ基キ指定セラレタル区域ハ同條ノ規定ニ依リ指定セラレタルモノト看做ス

  附 則 (昭和十三年法律第二十九号)
1 本法施行ノ期日ハ勅令ヲ以テ之ヲ定ム
2 本法施行前市街地建築物法施行令第十一條ノ規定ニ依リ指定シタル区域及其ノ区域内ニ於ケル建築物ニ付定メタル高ノ最低限度ハ各之ヲ本法第十一條第二項ノ規定ニ依リ指定シタル高度地区及其ノ地区内ニ於ケル建築物ニ付定メタル高ノ最低限度ト看做ス


市街地建築物法はこれにて終了です。次回は施行令をアップする予定です。

市街地建築物法 その4

市街地建築物法 4回目 現代語訳私家版

第十六條 (工事執行時の規定)
主務大臣ハ建築物ノ工事執行ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

大臣は建築物の工事執行に関し必要な規定を設けることができる。


第十七條 (工事現場の危害の防止)
行政官庁ハ建築物左ノ各号ノ一ニ該当スル場合ニ於テハ其ノ除却、改築、修繕、使用禁止、使用停止其ノ他ノ必要ナル措置ヲ命スルコトヲ得 
一 保安上危険ト認ムルトキ 
二 衛生上有害ト認ムルトキ 
三 本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反シテ建築物ヲ建築シタルトキ

行政は建築物の以下の各号に該当する場合においては、除去、改築、修繕、使用禁止、使用停止その他必要な措置を命じることができる。
一 保安上危険と認めるとき
二 衛生上有害と認めるとき
三 本法律にて発する命令に違反して建築物を建築したとき


第十八條 (地区設定変更による変更および損失補償)
本法適用区域ノ設定若ハ変更、地域若ハ地区ノ指定若ハ変更其ノ他ノ場合ニ於テ従来存在スル建築物カ其ノ後新ニ建築セラレタリトセハ本法又ハ本法ニ基キテ発スル命令ニ違反スヘキモノナルトキハ行政官庁ハ相当ノ期間ヲ指定シ其ノ建築物ニ付前條ニ掲クル必要ナル措置ヲ命スルコトヲ得
2 前項ノ規定ニ依ル措置ヲ命スルトキハ勅令ノ定ムル所ニ依リ建築物所在地ノ公共団体ヲシテ損失ヲ補償セシム
3 前項ノ規定ニ依リ補償ヲ受クヘキ者補償金額ニ付不服アルトキハ其ノ金額決定ノ通知ヲ受ケタル日ヨリ三月内ニ通常裁判所ニ出訴スルコトヲ得此ノ場合ニ於テハ訴願シ又ハ行政裁判所ニ出訴スルコトヲ得ス

本法適用区域の設定若しくは変更、地域もしくは地区の指定、変更その他の場合において従前より存在する建築物がその後新たに建築されたときは、本法に基づいて発する命令に違反する行為等になるときは行政庁は相当の期間を指定し、その建築物に前条に掲げる措置を命ずることができる。
2 前項の規定による措置を命ずるときは告示の定めるところにより建築物所在地の公共団体より損失補償を受ける
3 前項の規定により保障を受けたものは、補償金額に不服があるときは金額決定の通知を受けた日より3ヶ月以内に裁判所に申し立てできる。この場合において


第十九條 (罰則)
建築主、建築工事請負人、建築工事管理者又ハ建築物ノ所有者若ハ占有者本法若ハ本法ニ基キテ発スル命令又ハ之ニ基キテ為ス処分ニ違反シタルトキハ二千円以下ノ罰金又ハ科料ニ処ス

建築主、建築工事請負人、建築工事管理者又は建築物の所有者もしくは占有者は本法に基づいて発する命令又は処分に違反した場合は2,000円以下の罰金又は科料に処す。
これは昭和13年当時の貨幣価値を示す指標を何にするかによっても価値がわかりかねますが、物価ベースで現在は2000倍、平均給与ベースだと5000倍が相当するらしいです。ただ、平均給与は現在水準からみても低いので物価ベースとして現在の価値で400万くらいってところでしょうか?


第二十條 (無能力者等の処罰)
前條ノ規定ハ前條ニ掲クル者未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ニ之ヲ適用ス但シ営業ニ関シ成年者ト同一ノ能力ヲ有スル未成年者其ノ営業ニ関シ前條ニ規定スル違反ヲ為シタルトキハ此ノ限ニ在ラス
2 前條ニ掲クル者ハ其ノ代理人、同居者、雇人其ノ他ノ従業者其ノ営業ニ関シ前條ニ規定スル違反ヲ為シタルトキハ自己ノ指揮ニ出テサルノ故ヲ以テ処罰ヲ免ルルコトヲ得ス
3 前條ニ掲クル者法人ナルトキハ明治三十三年法律第五十二号ヲ準用ス

前条の規定による罰則対象者が未成年者、禁治産者のときは法定代理人にこれを適用する。ただし、営業に関し成年者と同等の能力を有する未成年者が営業に関し前条の違反をした場合はこの限りでない。
2 前条の規定による者はその代理人、同居人、雇い人その他従業者がその営業に関し前条に違反したときは、指揮したものに責を負うため、処罰を免ずることとする。
3 前条に掲げるものが法人のときは、明治三十三年法律第五十二号を準用する。明治三十三年法律第五十二号とは、法人において租税及び葉煙草専売に関し事犯ありたる場合に関する法律といい、脱税行為等に関する法律である。

今回は第16条から第20条までアップします。

2010年2月1日月曜日

市街地建築物法 その3

市街地建築物法私家版 第3回目
今回は第11条から第15条までをアップします。


第十一條 (地区の制限の付加)
建築物ヲ建築スル場合ニ於ケル其ノ高又ハ其ノ敷地内ニ存セシムヘキ空地ニ関シテハ地方ノ状況、地域及地区ノ種別、土地ノ状態、建築物ノ構造、前面道路ノ幅員等ヲ参酌シ勅令ヲ以テ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
2 主務大臣必要ト認ムルトキハ高度地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル建築物ニ付高ノ最低限度若ハ最高限度ヲ定メ又ハ空地地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル建築物ニ付床面積ノ敷地面積ニ対スル割合及敷地ノ疆界線ヨリノ距離ノ限度ヲ定ムルコトヲ得


建築物を建築する場合におけるその高さ又はその敷地内にある空地に関しては地方の状況、地域及び地区の種別、土地の状態、建築物の構造、前面道路の幅員等を考慮し、告示にて必要な規定を設けることがある。
2 大臣が必要と認めるときは高度地区を指定し、その地区内の建築物について高さ制限(最高高さもしくは最低高さ)を。又は空地地区を指定して、その地区内の建築物について容積率及び敷地境界線から建物までの距離の限度を定めることが出来る。


第十二條 (衛生、保安上の規定)
主務大臣ハ建築物ノ構造、設備又ハ敷地ニ関シ衛生上、保安上又ハ防空上必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

大臣は建築物の構造、設備又は敷地に関し衛生上、保安上又は防空上必要な規定を設けることができる。


第十三條 (防火地区)
主務大臣ハ火災予防上必要ト認ムルトキハ防火地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル防火設備又ハ建築物ノ防火構造ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
2 防火地区内ニ於テハ建物ノ部分ヲ為ス防火壁ハ土地ノ疆界線ニ接シ之ヲ設クルコトヲ得

大臣は火災予防上必要と認めるときは防火地区を指定しその地区内における防火設備又は建築物の防火構造に関し必要な規定を設けることができる。
2項 防火地区内においては建物の部分をなす防火壁は土地の境界線に接しこれを設けることが出来るこの規定により、防火上有効な塀などを境界線いっぱいに建てることが可能ということ。


第十四條 (特殊建築物)
主務大臣ハ学校、集会場、劇場、旅館、工場、倉庫、病院、市場、屠場、火葬場其ノ他命令ヲ以テ指定スル特殊建築物ノ位置、構造、設備又ハ敷地ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

大臣は、学校、集会場、劇場、旅館、工場、倉庫、病院、市場、屠場、火葬場その他告示等により指定された特殊建築物の位置、構造、設備又は敷地に関し必要な規定を設けることが出来る。



第十五條 (美観地区)
主務大臣ハ美観地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル建築物ノ構造、設備又ハ敷地ニ関シ美観上必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

大臣は美観地区を指定し、その地区内における建築物の構造、設備又は敷地に関し美観上必要な規定を設けることができる。