建築基準法の前身である市街地建築物法を数度に分けて公開していきます。
当時の条文と、現代語訳した私家版ですので、誤りもあるかもしれません。
現代語訳は赤文字にします。
ご容赦のほど・・・
第一回目
市街地建築物法(大正8年法律第37号)
第一條 (用途地域の指定)主務大臣ハ本法ヲ適用スル区域内ニ住居地域、商業地域又ハ工業地域ヲ指定スルコトヲ得
第1条
主務大臣(現在では国土交通大臣)はこの法律を適用する区域内に住居地域、商業地域又は工業地域を指定することができる。この区域内とは旧の都市計画法による都市計画区域を示す。
第二條 (住居地域の建築制限)
建築物ニシテ住居ノ安寧ヲ害スル虞アル用途ニ供スルモノハ住居地域内ニ之ヲ建築スルコトヲ得ス
2 主務大臣必要ト認ムルトキハ住居地域内ニ住居専用地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル住宅以外ノ建築物ノ建築ノ禁止又ハ制限ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
第2条
住居地域内にて住居の生活を害するような用途上適さないものは建築することができない。これは市街地建築物法施行令第1条に記載されているが、工場などである。
2項
大臣が特別に認めた場合には住居地域内に住居専用地区を指定し、その地区内に住宅以外の建築物の建築の禁止又は制限に関して必要な規定を定めることが出来る。
第三條 (商業地域の建築制限)
建築物ニシテ商業ノ利便ヲ害スル虞アル用途ニ供スルモノハ商業地域内ニ之ヲ建築スルコトヲ得ス
第3条
商業地域内に商業の利便を害する恐れのある用途のものは建築することができない。これは市街地建築物法施行令第2条に記載されているが、工場などである。又、住居地域に定めてあるものより規制は緩い。
第四條 (工業地域の建築規制)
工場、倉庫其ノ他之ニ準スヘキ建築物ニシテ規模大ナルモノ又ハ衛生上有害若ハ保安上危険ノ虞アル用途ニ供スルモノハ工業地域内ニ非サレハ之ヲ建築スルコトヲ得ス
2 主務大臣必要ト認ムルトキハ前項ノ建築物ニシテ著シク衛生上有害又ハ保安上危険ノ虞アル用途ニ供スルモノニ付テハ工業地域内ニ於テ其ノ建築ニ付特別地区ヲ指定スルコトヲ得
3 主務大臣必要ト認ムルトキハ工業地域内ニ工業専用地区ヲ指定シ其ノ地区内ニ於ケル工場、倉庫其ノ他之ニ準ズベキモノ以外ノ建築物ノ建築ノ禁止又ハ制限ニ関シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得
第4条
工場、倉庫その他これらに準ずる建築物にて規模の大きなもの又は衛生上有害もしくは保安上危険なものの用途に供するものは工業地域内ならば建築することが出来る。市街地建築物法施行令第3条に記載されている
2項
大臣が必要と認めたときは工業地域内において著しく衛生上有害又は保安上危険は恐れのある用途に供するものについては工業地域内において特別地区を指定することができる。
3項
大臣が必要と認めたときは、工業地域内に工業専用地区を指定し、その地区内における工場、倉庫その他これに準ずるもの以外の建築物の建築の禁止又は制限に関し必要な規定を設けることができる。つまり、工業専用地域内には現在の法律のように住宅などを建築することを禁止することができる法律になっている。
今回は用途地区の種類を書きました。
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