2010年3月30日火曜日

市街地建築物法施行規則 29

第六 獨立煙突

第六 独立煙突

第九十五條 (煙突の構造)
高五十尺ヲ超過スル自立煙突ニシテ鐵造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ非サルモノハ鐵材ヲ以テ之ニ適當ナル補強ヲ爲スヘシ

高百尺以上ノ煙突ハ之ヲ鐵造又ハ鐵筋「コンクリート」造ト爲スヘシ

高さ50尺(15m)を超過する自立煙突を鉄造又は鉄筋コンクリート造以外のものは鉄材を用いて適当な補強をすること
2項
高さ100尺(30m)以上の煙突は鉄造又は鉄筋コンクリート造とすること



第九十六條 (鉄板の厚さ)
鐵造煙突ニシテ高五十尺ヲ超過スルモノハ鐵板ノ厚ヲ四粍以上ト爲スヘシ

鉄造煙突にて高さ50尺を超えるものは鉄板の厚さを4mm以上とすること

第九十七條 (支線の控え杭)
煙突ノ構造上必要ナル支線ト地盤トノ接着ハ鐵筋「コンクリート」造其ノ他腐朽ノ虞ナキ控杭ニ緊着スヘシ但シ高七十五尺未滿ノ煙突ノ控杭ハ適當ナル防腐方法ヲ施シタル木材ト爲スコトヲ得

煙突の構造上主要な支線と地盤との接着は鉄筋コンクリート造その他腐朽の恐れのない控え杭に緊着すること。ただし高さ75尺(22.5m)未満の煙突の控え杭は適当な防腐方法を施した木材としてもよい


第九十八條 (土管煙突の構造)
土管煙突ハ高三十尺ヲ超過スヘカラス但シ堅固ナル鐵製支枠ヲ有スルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ高五十尺迄ト爲スコトヲ得

土管煙突は高さ30尺(9m)を超過してはならない。ただし堅固な鉄製支枠を有するものは地方長官の許可を受けて高さ50尺までとすることができる。

第九十九條 (土管煙突の補強)
土管煙突ハ其ノ接合前ニ「モルタル」ヲ用ヰ支枠ニ緊結スヘシ

土管煙突はその接合前に、モルタルを用いて支枠に緊結すること

第百條 (高さの基点)
前四條ノ適用ニ關シテハ煙突ノ高ハ之ニ接着スル地盤面ヨリ之ヲ度ル

前4条の適用に関しては煙突の高さは接着する地盤面より測ること

今回は煙突に関する構造の節です。
第100条までアップです。

2010年3月29日月曜日

市街地建築物法施行規則 28

第九十一條 (柱の構造)
鐡筋「コンクリート」柱ノ構造ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一 主筋ハ四本以上タルコト
二 繋筋ノ中心距離ハ一尺以下トシ且主筋直徑ノ十五倍ヲ超過セサルコト
三 柱ノ小徑ハ其ノ主要支點間距離ノ二十分ノ一以上ナルコト

鉄筋コンクリート柱の構造は以下の規定によること
1 主筋は4本以上とすること
2 フープ筋の中心距離は1尺(30cm)以下とし、且つ主筋直径の15倍を超過させないこと
3 柱の小径はその主要支点間距離の1/20以上とすること。

現在は施行令77条にて定めてありますが、帯筋間隔は15cm以下で小径の支点間距離は1/15以上です。当時は結構ユルい規定でしたね。当然地震などでせん断破壊が生じたから、現在ではこの規定になっています。


第九十二條 (鉄筋のかぶり厚さ)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ主筋ニ對スル「コンクリート」ノ被覆厚ハ版ニ在リテハニ糎未滿ト、梁及柱ニ在リテハ三糎未滿ト、基礎ニ在リテハ五糎未滿ト爲スヘカラス

鉄筋コンクリート構造において主筋に対するコンクリートの被覆厚は版においては2cm未満、梁及び柱においては3cm未満、基礎においては5cm未満としてはならない。
現在は令79条に記載あるが、土に接する部分の厚さ規定が増えている。


第九十三條 (型枠の除去)
鐵筋「コンクリート」ノ床、屋根其ノ他ノ横架材ノ上二假構ヲ設クルトキハ其ノ假構ヲ除去スルニ先チ其ノ下階ノ主要假構ヲ除去スヘカラス但シ「コンクリート」施工後二月ヲ經過セルモノニ在リテハ此ノ限ニ在ラス

鉄筋コンクリートの床、屋根その他の横架材の上に型枠を設けるときは、その型枠を除去するより先に下階の主要な型枠を除去してはならない。ただしコンクリート施工後2ヶ月を経過したものについてはこの限りでない。
2ヶ月ですか・・・現在は1ヶ月(28日)又は基準強度の85%でOKなんですが。当時は現場練りも一般的でしたので品質管理の問題も結構あったのかもしれません。



第九十四條 (軽微な構造のもの)
高十二尺未滿ノ墻壁其ノ轍建築上輕微ナルモノニ在リテハ地方長官ノ認可ヲ受ケ第八十八條乃至第九十二條ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

高さ12尺(3.6m)未満の垣壁その他建築上軽微なものにおいては、地方長官の許可を受け、第88条から第92条の規定によらないことができる。

今回は94条まで、これで第5節の鉄筋コンクリートはおしまい。

2010年3月28日日曜日

市街地建築物法施行規則 27

第五 鐵筋「コンクリート」構造

第五 鉄筋コンクリート構造

第八十八條 (材料)
鐡筋「コンクリート」構造ニ使用スル「コンクリート」ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一 砂又ハ泥土、鹽分等ヲ含マサルモノナルコト
二 砂利又ハ碎石ハ硬質ニシテ二糎二分ノ一目篩ヲ通過シ且鐵筋相互間及鐵筋ト假構トノ間ヲ自由ニ過過スルモノナルコト
三 煉瓦屑、石炭爐ノ類ハ之ヲ使用セサルコト
四 「コンクリート」ノ調合割合ハ「セメント」ノ容積一ニ對シ砂ト砂利又ハ碎石トノ容積ノ和六ヲ超過セサルコト但シ「セメント」ハ干四百瓩ヲ以テ一立方米トス

2 鐵筋「コンクリート」構造ニ使用スル鐵筋ノ品質ハ第八十二條ノ規定ニ依ルヘシ

鉄筋コンクリート構造に使用するコンクリートは以下の規定によること
1 砂又は泥土、塩分等を含まないもの
2 砂利又は砕石は硬質にして、2.5cmの目くしを通過し、且つ、鉄筋相互間及び鉄筋と型枠との間を自由に通過するものであること
3 レンガ屑、石炭炉の類は使用しないこと
4 コンクリートの調合割合は、セメントの容積1に対して砂と砂利又は砕石との容積の和が6を超過させること。ただしセメントは1400kgをもって1m3とする。

2項
鉄筋コンクリート構造に使用する鉄筋の品質は第82条の規定によること

第八十九條 (端部の構造)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テハ鐵筋ノ兩端ヲ他ノ構造部ニ緊結スルカ又ハ之ヲ曲ケテ適當ニ「コンクリート」中二碇着スヘシ

鉄筋コンクリート構造においては鉄筋の両端を他の構造部に緊結するか、又はこれを曲げて適当にコンクリート中に定着させること

第九十條 (せん断補強筋の配置)
鐵筋「コンクリート」ノ梁、版等ニ生スル應剪力度「コンクリート」ノ許容應剪力度ヲ超過スルトキハ其ノ部分ニ左記ノ規定ニ依リ繋筋ヲ配置スヘシ
一 繋筋ハ應剪力ノ分布ニ從ヒ適當ニ之ヲ配置シ其ノ間隔ハ梁、版等ノ厚ノ三分ノ二ヲ超過セサルコト
二 繋筋ハ應張鐵筋下端ヨリ應壓力中心迄達スルコト
2 主筋ヲ適當ニ曲ケタルモノハ其ノ部分ヲ繋筋ト看徹ス

鉄筋コンクリートの梁、版等に生ずるせん断応力は、コンクリートの許容せん断力を超過するときは、その部分に以下の規定によりせん断補強筋を配置すること
1 繋筋はせん断力の分布に従い適当に配置し、その間隔は梁、版等の厚さの2/3を超過させること。
2 繋筋は引張鉄筋下部より圧縮力中心まで達すること

2項
主筋を適当に曲げたものはその部分を繋筋とみなす


繋筋:フープ筋(帯筋)やスターラップ筋(腹筋)のような、せん断補強筋のこと

2010年3月27日土曜日

市街地建築物法施行規則 26

第四 鐵構造及鐵骨構造

第八十二條 (鋼材の応力)
建物ノ構造二使用スル鋼材ノ品質ハ應張強度一平方糎ニ付三千六百瓩以上、伸度試驗片小徑ノ八倍以上ニ付百分ノニ十以上ノモノナルコトヲ要ス

建物の構造に使用する鋼材の品質は引張応力強度1cm2につき3600kg以上、伸度試験片小径の8倍以上につき20%以上のものを使用すること

現在とは異なり、部材引張試験結果により使用できる規定もありました。
現在は施行令90条およびH12告示2464号により許容応力強度が設定されています。
現在一般的に使用されている鋼材は400N/mm ですが、当時の基準を換算すると367N/mm になります。

第八十三條 (接合部材)
建物ノ構造ニ使用スル鋼又ハ錬鐵ノ主要ナル構材ノ接合ニハ已ムヲ得ナル場合ノ外「リベット」ヲ使用スヘシ

建物の構造に使用する鋼又は錬鉄の主要な構材の接合には(一体の構造の外)リベットを使用すること。
現在ではリベット接合は絶滅していますが、当時は勿論主流でした。


2項
接合用「リベット」又ハ「ボールト」ノ中心距離ハ其ノ直徑ノ二倍半未滿ト、其ノ中心ト材端トノ距離ハ其ノ直徑ノ一倍半未滿ト爲スヘカラス

接合用リベット又はボルトの中心距離はその直径の2.5倍未満、中心と材端との距離は直径の1.5倍未満としてはならない。

穴中心距離は現在も2.5倍と同じですが、縁端距離は現在のH12告示1464号により径と仕上げによって定められています。手動切断は1.5倍より若干大きいですが機械切断は若干緩和されています。



第八十四條 (圧縮材の有効細長比)
建物ノ構造ニ使用スル鐵柱ハ其ノ斷面ノ最小二次半徑ヲ其ノ主要ナル支點間距離ニ對シ鋼又ハ錬鐵ニ在リテハ百五十分ノ一以上ト、鑄鐵ニ在リテハ七十五分ノ一以上ト爲スヘシ
2 
柱以外ノ應壓鋼材又ハ應壓錬鐵材ニ在リテハ前項ノ百五十分ノ一ヲ二百分ノ一トス

建物の構造に使用する鉄柱はその断面の最小2次半径を主要な支点間距離に対し鋼又は錬鉄においては1/150以上、鋳鉄においては1/75以上とすること。
2項
柱以外の応圧(圧縮)鋼材又は応圧錬鉄材にては、前項の1/150を1/200とする。
現在は令65条により柱は200以下、柱以外は250以下です。
細長比なら「以上」は誤りで「以下」なのではないのかな???



第八十五條 (添え板)
鋼柱又ハ錬鐵柱ノ接合ニハ其ノ小ナル柱ト同等以上ノ強ヲ有スル添鈑ヲ用ヰ柱ノ全應力ヲ傅フルニ足ルヘキ數ノ「リベット」ヲ使用スヘシ

鋼柱又は錬鉄柱の接合には、小径柱と同等以上の強度を有する添え板を用い、柱の全応力を伝えるに足りるべき数のリベットを使用すること


第八十六條 (基礎との緊結)
鐵骨造建物ニ於ケル主要ナル柱ハ之ヲ基礎ニ緊結スヘシ

鉄骨造建物における主要な柱はこれを基礎に緊結すること

第八十七條 (帳壁の連結)
鐵骨造建物ノ帳壁ハ之ヲ鐵骨ニ連結スヘシ

鉄骨造建物の帳壁は鉄骨に連結すること

今回は、鉄構造及び鉄骨構造の節です。87条まで

2010年3月26日金曜日

市街地建築物法施行規則 25

第七十七條 (複合構造の壁)
同一建築物ノ壁體二種以上ノ構造ヨリ成ルトキハ其ノ壁長及壁厚ニ付テハ地方長官之ヲ定ム

同一建築物の壁体2種以上の構造によるときは、その壁長さ及び壁厚については地方長官はこれを定める


第七十八條 (切妻壁に接する壁)
切妻壁體ハ之ニ接スル構材ニ緊結スヘシ
2 地盤面上五十尺以上二在ル切妻壁體ノ部分ニ對シテハ適當ナル補強ヲ爲スヘシ

切り妻壁体はこれに接する構成材に緊結すること
2項
地盤面上50尺(15m)以上にある切り妻壁体の部分に対して、適当な補強をすること


第七十九條 (迫持アーチ)
張間五尺以上ノ開口上ニ架スル石造又煉瓦造ノ迫持ハ其ノ迫高ヲ張間ノ十分ノ一以上ト爲スヘシ但シ適當ナル補強ヲ爲シタルモノハ此ノ限二在ラス

張間5尺(1.5m)以上の開口上部に架かる石造又はレンガ造の迫持は、そのせり高さを張間の1/10以上とすること。ただし適当な補強をしたものはこの限りでない。
迫持(せりもち):煉瓦や石材を迫石として両側からもち出して円弧状等に積み上げて、梁間を架構する構法のこと。 アーチ状のもの。



第八十條 (役部の石の緊結)
壁體ノ隅角、蛇腹、窓、出入口脇其ノ他之ニ類スル部分ニ使用スル石、人造石ノ類ハ適當ナル方法ヲ以テ之ヲ其ノ接スル壁體ノ部分ニ緊結スヘシ

壁体の隅角、蛇腹、窓、出入口脇その他これに類する部分に使用する石、人造石の類は敵と運方法をもって、これに接する壁部分に緊結すること

第八十一條 
石造又ハ煉瓦造ノ桔出窓、桔出縁等ハ壁面ヨリ三尺以上突出セシムヘカラス但シ鐵骨又ハ鐵筋「コンクリート」ヲ以テ適當ナル補強ヲ爲シタルモノハ此ノ限二在ラス

石造又はレンガ造のはね出し窓、はね出し縁等は壁面より3尺(90cm)以上突出してはならない。ただし鉄骨又は鉄筋コンクリートをもって適当な補強を施したものはこの限りでない。
片持ちなど、組積造では90cm以上持ち出すことを禁止しています。
桔出:はねだし と読みます。

今回は81条までです。

2010年3月25日木曜日

市街地建築物法施行規則 24

第七十四條 (帳壁の扱い)
鐡骨造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ於ケル石、煉瓦、「コンクリート」等ノ帳壁ニハ第五十九條、第六十條、第六十二條乃至第七十二條ノ規定ヲ適用セス

鉄骨造又は鉄筋コンクリート造における石、レンガ、コンクリート等の帳壁には第59条、第60条、第62条から第72条の規定を適用しない


第七十五條 (軽微な壁の扱い)
高十二尺未滿ノ間壁其ノ他構造上輕微ナル壁體ニ對シテハ第六十條乃至第七十二條ノ規定ヲ適用セス

高さ12尺(3.6m)未満の壁その他構造上軽微な壁体に対しては第60条から第72条の規定を適用しない


第七十六條 (垣壁の厚さ)
石造又ハ煉瓦造ノ墻壁ハ特殊ノ補強方法ヲ施シタル揚合ノ外左ノ規定二依ルヘシ

一 煉瓦造又ハ「コンクリート」造ニ在リテハ其ノ厚ヲ其ノ部分ヨリ壁頂迄ノ垂道距離ノ十五分ノ一以上ト爲スコト

二 「コンクリート」造以外ノ石造ニ在リテハ其ノ厚ヲ其ノ部分ヨリ壁頂迄ノ垂直距離ノ十二分ノ一以上ト爲スコト

三 長二間未滿毎ニ適當ナル控壁ヲ設クルコト但シ其ノ壁厚前二號ノ規定ノ最小限ノ一倍半以上ナルトキハ此ノ限ニ在ラス

石造又はレンガ造の垣壁は特殊な補強方法を施した場合以外は下記の規定によること
1号
レンガ造又はコンクリート造においては、その壁厚をその部分より壁頂までの垂直距離の1/15以上とすること
2号
コンクリート造以外の石造についてはその壁厚をその部分より壁頂までの垂直距離の1/12以上とすること
3号
長さ2間(3.6m)未満毎に適当な控え壁を設けること。ただしその壁厚は前2号の規定の最小限の1.5倍以上のときはこの限りでない。


今回は74条から76条までです。

2010年3月24日水曜日

市街地建築物法施行規則 23

第七十條 (二重壁の緩和)
煉瓦造二重壁ニ於テハ其ノ一方ノ壁ハ第五十九條乃至第六十一條及第六十三條乃至第六十九條ノ規定二依ルヘシ

レンガ造2重壁においてはその1方の壁は第59条から第61条及び63条から第69条の規定によること。
2重にある場合は1方について防火及び構造上の配慮を求めています。



第七十一條 (コンクリート造の壁体)
建物ノ壁體「コンクリート」造ナルトキハ第六十三條乃至第七十條ノ適用ニ關シ之ヲ煉瓦造ト看做ス

建物の壁体がコンクリート造のときは第63条から第70条の適用に関し、これをレンガ造とみなす。
コンクリート造(無筋でも可)の場合はレンガと同等とみなす規定です。厚さはレンガ造と同じです。

第七十二條 (石造の壁体)
建物ノ體壁「コンクリート」造以外ノ石造ナルトキ其ノ厚ハ第六十三條乃至第六十五條ノ厚ニ其ノ十分ノ二ヲ加フヘシ

建物の壁体がコンクリート造以外の石造のとき、その厚さは第63条から第65条の厚さに2/10を加えること。
石造の場合はレンガより構造性能が劣るとみなしています。


2 第六十六條乃至第七十條ノ規定ハ之ヲ前項ノ壁體ニ準用ス

2項 
第66条から第70条の規定は前項の壁体に準用する

第七十三條 (貼石の扱い)
貼石、貼瓦ノ類ハ之ヲ壁厚ニ算入セス

貼石、貼瓦の類は壁厚に算入しない

今回は第70条から73条まで

2010年3月23日火曜日

市街地建築物法施行規則 22

第六十六條 (外壁厚さの軽減)
建物ノ壁體煉瓦造ニシテ左記各號ノ一ニ該當スル場合ニハ各階ノ壁厚ハ第六十三條及第
六十四條ノ厚ヨリ三寸ヲ減スルコトヲ得

一 其ノ階ノ床及其ノ階ノ直上階ノ床又ハ屋根鐵筋「コンクリート」造ナルトキ

二 地方長官適當ト認ムル控壁、鐵骨又ハ鐵筋「コンクリート」ノ臥梁其ノ他ノ補強方法アルトキ

建物の壁体がレンガ造のときに、以下の各号の1に該当する場合には各階の壁厚は第63条及び第64条の厚さより3寸を減じることができる。

1号 

その階の床及びその階の直上階の床又は屋根が鉄筋コンクリート造のとき

2号 

地方長官が適当と認める控え壁、鉄骨又は鉄筋コンクリートの臥梁その他の補強方法があるとき


第六十七條 (壁の最小厚)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ其ノ壁厚ハ第六十三條乃至第六十六條ノ規定ニ拘ラス其ノ階高ノ十五分ノ一未滿ト爲スヘカラス

建物の壁体がレンガ造のときに、その壁厚さは第63条から第66条の規定にかかわらずその階高さの1/15未満としてはならない。

第六十八條 (壁溝の厚さ)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ其ノ階高ノ四分ノ三以上ノ高ヲ通シテ壁體ニ竪壁溝ヲ設クル場合ニハ其ノ壁溝部ノ壁厚ハ第六十條、第六十三條乃至第六十七條ノ厚ノ三分ノ二未滿ト爲スヘカラス

2 横壁溝ハ深三寸長九尺ヲ超過スヘカラス

建物の壁体がレンガ造のときに、その階高の3/4以上の高さを通して壁体に竪壁溝を設ける場合には、その壁溝部の壁厚は第60条、第63条から第67条の厚さの2/3未満としてはならない。

2項 

横壁溝は深さ3寸(9cm)長さ9尺(2.7m)を超過してはならない


第六十九條 (開口部の垂直距離間)
高十五尺以上ノ煉瓦壁體ニ於ケル出入口及窓相互間ノ垂直距離及之ト壁頂間ノ垂直距離ハ二尺以上ト爲スヘシ但シ鐵又ハ鐵筋「コンクリート」ノ臥梁ヲ以テ適當ナル補強ヲ爲ストキハ此ノ限ニ在ラス

高さ15尺(4.5m)以上のレンガ壁体における出入口及び窓相互間の垂直距離及びこれと壁頂間の垂直距離は2尺(60cm)以上とすること。ただし鉄又は鉄筋コンクリートの臥梁を適当な補強をすればこの限りでない。
構造上の配慮で垂直距離間の開口制限です。

今回は67条から69条まで

2010年3月22日月曜日

市街地建築物法施行規則 21

第六十二條 (壁の細長比)
建物ノ壁體「コンクリート」造以外ノ石造ニシテ其ノ高十五尺未滿ノモノ、壁厚ハ其ノ高ノ十二分ノ一未滿ト爲スヘカラス

建物の壁体がコンクリート造以外の石造にて高さ15尺(4.5m)未満のもの、壁厚はその高さの1/12未満としてはならない。


第六十三條 (壁厚の規定)
建物ノ外壁煉瓦造ニシテ其ノ高十五尺以上長二十四尺以下ノモノ、壁厚ハ左ノ規定二依ルヘシ
一 高二十五尺以下ノモノニ在リテハ一尺以上ト爲スコト

二 高二十五尺ヲ超過シ四十尺以下ノモノニ在リテハ第一階ハ一尺四寸以上ト、第二階以上ハ一尺以上ト爲スコト

三 高四十尺ヲ超過シ五十尺以下ノモノニ在リテハ第一階及第二階ハ一尺四寸以上ト、第三階以上ハ一尺以上ト爲スコト

建物の外壁レンガ造にてその高さ15尺(4.5m)以上長さ24尺(7.2m)以下のもの、壁厚は以下の規定によること
1号
高さ25尺(7.5m)以下のものについては1尺(30cm)以上とすること
2号
高さ25尺を超え40尺(12m)未満のものは、1階は1尺4寸(42cm)以上、2階以上は1尺以上とすること
3号
高さ40尺を超え50尺(15m)以下のものについては、1階及び2階は1尺4寸(42cm)以上、3階以上は1尺(30cm)以上とすること


2 長二十四尺ヲ超過シ三十六尺以下ノモノノ壁厚ハ前項ノ厚ニ三寸ヲ加フヘシ

長さ24尺(7.2m)を超え、36尺(10.8m)以下のものの壁厚は前項の厚さに3寸(9cm)を加えること

3 長三十六尺ヲ超過シ四十八尺以下ノモノノ壁厚ハ第一項ノ厚ニ七寸ヲ加フヘシ

長さ36尺(10.8m)を超え、40尺(12m)以下のものの壁厚は前項の厚さに7寸(21cm)を加えること

4 地階ノ壁厚ハ第一階ノ壁厚ニ三寸以上ヲ加フヘシ

地階の壁厚は1階の壁厚に3寸(9cm)以上を加えること


第六十四條 (間仕切壁の厚さ)
煉瓦造間壁ノ厚ハ前條ノ厚ヨリ三寸ヲ滅スルコトヲ得

レンガ造の間仕切壁の厚さは前条より3寸を減ずることができる


第六十五條 (開口部による壁厚の加算)
建物ノ壁體煉瓦造ナルトキ或ル階ニ於ケル出入口、窓其ノ他ノ開口ノ幅ノ總和カ壁長ノニ分ノ一ヲ超過スルトキハ其ノ壁厚ハ前三條ノ厚ニ三寸ヲ加フヘシ但シ其ノ壁體ニ幅三尺以上ノ柱形(控壁ヲ含ム以下同シ)ヲ有スル揚合ニ於テ其ノ柱形間及之ト對隣壁トノ中心距離十五尺以下ナルトキハ此ノ限ニ在ラス

建物の壁体がレンガ造のときに、その階における出入口、窓その他の開口部の幅の総和が壁長さの1/2を超えるときは、その壁厚は前3条の厚さに3寸(9cm)を加えること。ただし、その壁体に幅3尺(90cm)以上の柱形(控え壁を含む。以下同じ)を有する場合においてその柱形間及び対隣壁との中心距離15尺(4.5m)以下なるときはその限りでない。
現在の建築基準法でも防火区画に接するスパンドレル等の措置があります。これも90cm以上です。(庇などは50cm)



今回は62条から65条まで

2010年3月20日土曜日

市街地建築物法施行規則 20

第三 石構造、煉瓦構造及「コンクリート」構造

石構造、レンガ構造及びコンクリート構造

第五十八條 (組石による構造物規定)
石、煉瓦其ノ他之ニ類スル材料ヲ以テ築造スル建築物ノ部分ハ「セメント」入「モルタル」ヲ用ヰテ維積スヘシ但シ高九尺以下ノ墻壁其ノ他構造ノ輕微ナルモノハ此ノ限ニ在ラス

石、レンガその他これに類する材料をもって築造する建築物の部分は、セメント入りモルタルを用いて積むこと。ただし高さ9尺(2.7m)以下の垣壁その他構造の軽微なものは、この限りでない。
維積とは「つないで積む」ことです。現在では鉄筋入りは勿論ですが、ブロック塀は1.2m以下が軽微なものとなっています。



第五十九條 (組石による上下階の厚さ)
建物ノ壁體石造又ハ煉瓦造ナルトキ下階ノ壁厚ハ其ノ上階ノ壁厚ヨリ小ナルへカラス

建物の壁体が石造又はレンガ造のとき、下階の壁厚はその上階厚より小さくしてはならない。
下のほうが厚くするのは、あたりまえっぽいですね。



第六十條 (最低壁厚)
石造又ハ煉瓦造壁體ノ壁厚ハ之ヲ一尺未滿ト爲スヘカラス

石造又はレンガ造の壁体の壁厚は1尺(30cm)未満としてはならない。
最近でこそブロック造が多く、このような構造はほとんどありませんが、30cmくらいは必要だったんですね。地震規定が無いころの時代ですね。


第六十一條 (壁の長さ)
建物ノ壁體石造又ハ煉瓦造ニシテ高十五尺以上ノモノハ其ノ壁長三十六尺ヲ超過スヘカラス但シ地盤堅牢ナル場合又ハ適當ナル補強方法ヲ施シタルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ之ヲ四十八尺迄ト爲スコトヲ得

2 壁厚特ニ大ナルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ前項ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

3 壁長ハ其ノ壁體ニ接着スル對隣壁ノ接着部分ノ中心距離ヲ以テ之ヲ度ル

4 地方長官適當ト認ムル補強方法ヲ施シタル控壁ハ前項ノ適用ニ關シ之ヲ對隣壁ト看徹ス

5 壁高ハ其ノ壁體ノ接着スル地盤面ヨリ之ヲ度ル


建物の壁体が石造又はレンガ造のとき、高さ15尺(4.5m)以上のものは、その壁長さ36尺(10.8m)を超えてはならない。ただし地盤が堅牢な場合又は適当な補強方法を施したもので地方長官の許可を受けたものは48尺(14.4m)までとすることができる。

2 壁厚が特に大きいものは、地方長官の許可を受け、前項の規定によらない。

3 壁長さはその壁体に接着する対隣壁の接着部分の中心距離をもってとする。

4 地方長官が適当と認める補強方法を施した控え壁は、前項の適用に関しこれを対隣壁とみなす。

5 壁高さはその壁体の接着する地盤面よりとする。

今回から新節です。
58条から61条までアップします。

2010年3月17日水曜日

市街地建築物法施行規則 17 - 3

第二 木構造及木骨構造

第四十八條 (木造の継ぎ手)
柱、梁其ノ他之ニ類スル構材ノ繼手及仕口ニシテ主要ナルモノハ「ボールト」締其ノ他適當ナル方法ニ依リ緊着スヘシ

柱、梁その他これに類する構成材の継ぎ手及び仕口にて主要なものはボルト締めその他適当な方法により緊結すること


第四十九條 (掘っ立て柱の禁止)
建物ノ主要ナル柱ハ掘立ト爲スヘカラス但シ適當ナル防腐方法ヲ施シタルモノハ此ノ限ニ在ラス

建物の主要な柱は掘っ立てとしてはならない。ただし、適当な防腐方法を施したものはこの限りでない。
直接土等に接してはならない規定が別途ありますので、当然のことですが、主要でない柱なら認めていたことになりますね。


第五十條 (主要な柱の固定)
掘立晶非サル柱ノ下部ニハ土臺又ハ脚固ヲ使用スヘシ但シ柱ヲ其ノ基礎ニ緊着シタルトキハ此ノ限ニ在ラス

掘っ立てでない柱の下部には土台又は脚固めを使用すること。ただし柱を基礎に緊着したときはこの限りでない。
許容応力度計算の原点のような規定ですね。



第五十一條 (土台の緊結)
石、煉瓦其ノ他ノ腰積ヲ有スル建物ハ之ヲ土臺敷構造ト爲シ土臺ハ腰積ニ緊結スヘシ
2
石、煉瓦、「コンクリート」ノ類ノ束ヲ以テ前項ノ腰積ニ代フルモノハ其ノ構造ニ付特ニ地方長官ノ許可ヲ受クヘシ

石、レンガその他の腰積みを有する建物は、土台敷構造とし、土台は腰積みに緊結すること。
2項
石、レンガ、コンクリートの類の束をもって前項の腰積みに代わるものは、その構造に付き地方長官の許可を受けること


第五十二條 (火打ち材の使用)
建物ノ土臺及敷桁ノ隅角ニハ燧材ヲ使用スヘシ

建物の土台及び敷き桁の隅角には火打ち材を使用すること
燧は火打ちと読みます。建築雑学です。


48条から52条まで、木構造に関する条文です。

市街地建築物法施行規則 17 - 2

第二節 構造強度
第一  概則

第四十四條 (セメント材料)
「コンクリート」及「モルタル」ノ原料ト爲スヘキ「セメント」ハ農商務省告示「ポルトランドセメント」試験方法ノ規定ニ條リ合格シタルモノナルコトヲ要ス

コンクリート及びモルタルの原料となるセメントは農商務省告示「ポルトランドセメント試験方法」の規定に合格したものでなければならない。

第四十五條 (基礎に用いる木材)
建築物ノ基礎ニ使用スル木材ハ常水面下ニ在ルヲコトヲ要ス但シ規模小ナル建築物又ハ短期間使用ノ建築物ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス

建築物の基礎に使用する木材は常に水面下にあることとする。ただし小規模な建築物又は短期間使用する建築物についてはこの限りでない。

第四十六條 (木材の防腐処理)
主要ナル構造用木材ニシテ石、煉瓦、「コンクリート」、土ノ類ニ積込ム部分又ハ之ニ接スル部分ニハ防腐方法ヲ施スヘシ但シ木造建築物ノ眞壁二接スル木部ニ對シテハ此ノ限ニ在ラス

主要な構造用木材で石、レンガ、コンクリート、土の類に積み込む部分又はこれに接する部分は防腐処理を施すこと。ただし木造建築物の真壁に接する木部に対してはこの限りでない。

第四十七條 (地方細則による規定)
地方長官ハ建築物ノ構造強度ニ關シ土地ノ状況ニ依リ本節ニ定ムルモノノ外必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

地方長官は建築物の構造強度に関し、土地の状況により本節に定めるものの外、必要な規定を設けることが出来る。

なぜか抜けていた44条から47条までアップします

2010年3月16日火曜日

市街地建築物法施行規則 19

第五十四條 (柱の補強)
柱ニシテ其ノ必要ナル斷面積ノ三分ノ一以上ヲ缺取ル場含ニハ其ノ部分ヲ補強スヘシ

柱の必要な断面積の1/3以上を欠き取る場合には、その部分を補強すること

第五十五條 (筋かい)
三階建木造建物又ハ平家建ニ非サル木骨石造若ハ木骨煉瓦造建物ノ壁體ニハ適當ナル筋違ヲ使用スヘシ

3階建て木造建物又は平屋建てでない木骨石造もしくは木骨レンガ造建物の壁には適当な筋交いを設けること。
現行法では規定が定まっていますが、適当って・・・
それに2階以下の木造では特に必要なかったようですね。


第五十六條 (木骨造に貼り付ける石等の厚さ)
木骨石造又ハ木骨煉瓦造二於ケル貼付ノ石、煉瓦類ノ厚ハ二階以上二於テハ之ヲ七寸五分以下ト爲シ適當ナル方法ヲ以テ軸部ニ緊結スヘシ

木骨石造又は木骨レンガ造における貼付く石、レンガの厚さは2階建て以上においては7寸5分(22.5cm)以下とし、適当な方法をもって軸部に緊結すること


第五十七條 (適用の除外)
建築物ノ敷地ノ地盤堅牢ナルトキ又ハ規模小ナル建築物ニハ地方長官ノ許可ヲ受ケ第五十條及第五十二條ノ規定ヲ適用セサルコトヲ得

建築物の敷地の地盤が堅牢なとき、又は規模の小さな建築物には地方長官の許可を受け第0条、第52条の規定を適用させることができる。
地盤が堅牢な場合は、柱の固定と火打ち材の規定は適用除外の規定があったようです。


今回は54条から57条までです

2010年3月15日月曜日

市街地建築物法施行規則 18

第五十三條 (柱の小径)
柱ノ小徑ハ土臺、脚固、胴差、梁、桁其ノ他ノ主要横架材間ノ距離ニ對シ三階建ノ第三階、ニ階建ノ第ニ階又ハ平家建ニ在リテハ其ノ三十五分ノ一ヲ、三階建ノ第二階又ハ二階建ノ第一階ニ在リテハ其ノ三十分ノ一ヲ、三階建ノ第一階ニ在リテハ其ノニ十六分ノ一ヲ下ルヘカラス但シ庇ノ支柱其ノ他輕微ナル荷重ヲ承クルモノハ此ノ限ニ在ラス

2 木骨石造、木骨煉瓦造及土藏造二在リテハ前項ノ適用二關シ三十五分ノ一ヲ三十分ノ一、三十分ノ一ヲニ十五分ノ一、二十六分ノ一ヲ二十三分ノ一トス

柱の小径は土台、脚固め、胴差、梁、桁その他主要横架材間の距離に対して3階建ての第3階、2階建ての第2階、又は平屋建てにおいてはその1/35を、3階建ての第2階、2階建ての第1階においてはその1/35を、3階建ての第1階においてはその1/26を下回らないこと。ただし、ひさしの支柱その他軽微な荷重しかないものはこの限りでない。

木骨石造、木骨レンガ造及び土蔵造りにおいては前項の適用に関し1/35を1/30、1/30を1/25、1/26を1/23とする。

文字だけではわかりにくいですね。
これは様々な基準(ドイツなど)を当時、喧々諤々したようです。
現在は3階の基準ありませんが若干厳しくなっています。


53条のみのアップです。

2010年3月13日土曜日

市街地建築物法施行規則 17

第四十條 (営業用煙突の高さ)
汽罐、營業用風呂竃其ノ他多量ノ燃料ヲ使用スル設備ニ附属スル煙突ノ高ニ付テハ其ノ燃料ノ種類、量及土地ノ状況ニ依リ地方長官之ヲ定ム

ボイラー、営業用浴場釜その他多量の燃料を使用する設備に付属する煙突の高さについては、その燃料の種類、量及び土地の状況により地方長官はこれを定めることが出来る。現行法では、昭和56年住指発第166号による扱いがあるので参考までに。

第四十一篠 (営業用煙突の設備規定)
汽罐、風呂竈ノ類ノ焚場及灰捨場ニ對シ地方長官防火上必要ナル構造設備ヲ命スルコトヲ得

ボイラー、風呂釜の類の焚き場及び灰捨て場に対し地方長官は防火条必要な構造設備を命じることが出来る。

第四十二條 (避雷設備)
高六十五尺ヲ超過スル建築物ニハ適當ナル避雷設備ヲ爲スヘシ

高さ65尺(19.5m)を超過する建築物には適当な避雷設備を設けること建築基準法施行令第129条の14では、20mなので、当時とほぼ同じですね。

第四十三條 (耐火構造とすべき規模)
高六十五尺軒高五十尺ヲ超過スル建築物ハ其ノ壁體、床、柱、屋根、階段等主要構造部ヲ耐火構造ト爲スヘシ

高さ65尺(19.5m)軒高50尺(15m)を超過する建築物はその壁、床、柱、屋根、階段等主要構造部を耐火構造とすること。現行法では用途、階数などで細かく規定されていますが、当時は高さのみのようです。大雑把なような気がします。

40条から43条までアップです。

2010年3月11日木曜日

市街地建築物法施行規則 16

第三十五條 (煙突の屋上の突出距離)
煖爐、竃、風呂竃ノ類ノ煙突ノ屋上突出部ハ其ノ最短部ニ於テ二尺以上ト爲スヘシ但シ煉瓦造又ハ石造ノ部分ハ補強ヲ爲ササル限リ三尺以上ト爲スヘカラス

暖炉、かまど、風呂釜の類の煙突の屋上突出部はその最短部より2尺(60cm)以上とすること。ただしレンガ造又は石造の部分は補強をしなければ3尺(90cm)以上としてはならない。
現在の建築基準法施行令第115条でも同様に60cm以上とする規定はあります。レンガ造などの組石造は補強が前提の構造なので、現在ではわざわざ書いてないです。

第三十六條 (煙突の軒先よりの突出距離)
煙突ノ直上部ニ軒アルトキハ其ノ軒ヨリ更ニ二尺以上突出セシムヘシ煙突ト上方軒先トノ水平距離三尺未滿ナル卜キ亦同シ

煙突の直上部に軒があるときは、その軒よりさらに2尺(60cm)以上突出させること。煙突と上方軒先との水平距離3尺(90cm)未満のときも同様とする。
現在の建築基準法施行令第115条1項2号と同じですね。現行法では3尺が1mとなっていますが。

第三十七條 (煙突露出部の被覆)
金属製煙突ニシテ小屋裏、床裏等露出セサル位置ニ在ル部分ハ金属以外ノ不燃材料ヲ以テ被覆スヘシ

金属製煙突にて小屋裏、床裏等露出する位置にある部材は金属以外の不燃材料を用いて被覆すること。
これも建築基準法施行令第115条1項3号イに同じですが、H16告示第1168号にも具体的な構造があります。金属製だと熱伝導率高いので可燃性を防ぐ目的のものを用いる必要があります。

第三十八條 (煙突の隔離距離)
金属製煙突ハ木材其ノ他ノ燃質材料ト五寸以上ノ間隔ヲ有スヘシ但シ厚三寸以上ヲ有スル金属以外ノ不燃材料ヲ以テ被覆スルトキハ此ノ限ニ在ラス

金属製煙突は木材その他の燃質材料と5寸(15cm)以上の間隔をもつこと。ただし厚さ3寸(9cm)以上を有する金属以外の不燃材料をもって被覆するときはこの限りでない。これも建築基準法施行令第115条1項3号ロとほぼ同じです。

第三十九條 (煙突についての命令)
地方長官ハ煙突ニシテ近接道築物ニ危害ヲ及ホス處アリト認ムルトキハ前數條ノ外必要ナル措置ヲ命スルコトヲ得

地方長官は煙突が近接建築物に危害を及ぼす恐れがあると認めたときは、前数条の他、必要な措置を命ずることができる。

なぜに、第35条から第39条までをまとめなかったのでしょうか??同じ煙突なら、そのほうが都合いいでしょうに。

今回は煙突規定をまとめました。第35条から第39条までです。

2010年3月10日水曜日

市街地建築物法施行規則 15

第三十三條(壁付き暖炉の構造)
壁附煖爐ノ構造ハ左ノ規定二依ルヘシ
一 爐胸ハ堅牢ナル基礎ノ上ニ築造シ木造建物ニ在リテハ上部ヲ積出シト爲ササルコト
二 薪炭ヲ使用スル壁附煖爐ニ在リテハ焚口下及其ノ前方一尺以上左右各五寸以上ノ部分ノ床ヲ、其ノ他ノ壁附煖爐ニ在リテハ焚口下ノ部分ノ床ヲ不燃材料ニテ構造シ其ノ下方八寸以内ニハ燃質材料ヲ取付ケサルコト
三 壁附煖爐ノ煙突ニシテ屋内二在ル部分ハ鐵筋「コンクリート」、石、煉瓦ノ類ヲ以テ構造シ外壁ノ厚ハ鐵筋「コンクリート」ニ在リテハ五寸以上、其ノ他二在リテハ七寸以上ト爲シ煙道ハ土管ヲ挿入シ又ハ「セメント、モルタル」ヲ以テ塗ルコト
四 煙道ノ屈曲百ニ十度以内ナルトキハ其ノ屈曲部ニ掃除口ヲ設クルコト

壁付き暖炉の構造は以下の規定によること
1号 
暖炉は堅牢な基礎の上に築造し、木造建築物にあっては上部を積み出しとすること
2号 
薪炭を使用する壁付き暖炉においえは焚き口の下及びその前方1尺(30cm)以上左右各5寸(15cm)以上の部分の床を、その他の壁付き暖炉においては焚き口の下の部分の床を不燃材料の構造にし、下方8寸(24cm)以内には燃質材料を取り付けないこと
3号 
壁付き暖炉の煙突の室内にある部分は鉄筋コンクリート、石、レンガの類を用いた構造とし、外壁の厚さは鉄筋コンクリートについては5寸(15cm)以上、その他の部分については7寸(21cm)以上とし、煙道は土管を挿入するか、又はセメント、モルタルをもって塗ること
4号 
煙道の屈曲部が120度以内になるときは、その屈曲部に掃除口を設けること

この時代に、結構細かく規定されています。建築基準法では令115条の「煙突」と、H21告示225号(ただ、住宅などの内装仕上げについて)くらいしかありません。
当然、当時は開放型のみだったから火災防止の観点から必要なことだったのでしょうが、現在は材質その他様々なものが変わっていますから単純な比較は難しいでしょうね。
3号、4号は現在の令115条でも同様の記述あります。


第三十四條 (特殊な木造建築物の暖炉の構造)
三階建ノ木造又ハ木骨造建物ノ壁附煖爐ハ其ノ煖胸ヲ鐵筋「コンクリート」造又ハ鐵骨造ト爲スヘシ

3階建ての木造又は木骨造建物の壁付き暖炉はその暖胸は鉄筋コンクリート造又は鉄骨造とすること。
これは火災時に避難が大変だと想像される建物は不燃材料でもRC造又はS造とせよ。という規定です。石やレンガが不可ということは、地震などで崩れる恐れがあるからでしょうか?


今回は第33条と第34条です。

2010年3月9日火曜日

市街地建築物法施行規則 14

施行規則私家版 14回目 結構多いですね。まだまだ序盤ですよ。

第二十九條 (防火壁)
建築面積二百坪以上ノ建築物ニハ建築面積二百坪以内毎ニ防火壁ヲ設クヘシ但シ外壁、床、屋根、柱及階段耐火構造ナルトキ又ハ地方長官其ノ用途ニ依リ巳ムヲ得スト認ムルトキ若ハ土地ノ状況ニ依リ特ニ支障ナシト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス

建築面積200坪以上(660m2)の建築物には、建築面積200坪以内毎に防火壁を設けること。ただし、外壁、床、屋根及び階段を耐火構造とするとき、又は地方長官がその用途により、やむをえずと認めるとき、若しくは土地の状況により特に支障がないと認めるときはこの限りでない。
現在の建築基準法では、法26条の1,000m2ごとの規定や、施行令114条による300m2ごとの隔壁規定、消防設備設置による緩和など多岐にわたっているが、この当時はシンプルですね。


第三十條 (防火壁の構造)
前條防火壁ノ構造ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一  耐火構造ト爲スコト
二  兩端ハ外壁ニ達スルコト但シ木造建築物ニ在リテハ之ニ近接スル木部ヨリ一尺以上屋外ニ突出セシムルコト
三  上端ハ屋根面ニ直角ニ測リ一尺五寸以上屋上ニ突出セシムルコト但シ耐火構造ノ屋根ニ在リテハ屋上二突出セシメサルコトヲ得
四  各開ロノ幅及高ハ九尺以下ニシテ甲種防火戸ノ設備ヲ有スルコト但シ特殊ノ用途二充ツル建築物二在リテハ地方長官ノ認可ヲ受ケ幅及高ヲ十二尺迄ト爲スコトヲ得
五 凹壁溝ヲ設クル場合ト雖モ其ノ部分ノ壁厚ハ煉瓦造及石造二在リテハ七寸以上、鐵筋「コンクリート」造二在リテハ三寸五分以上ト爲スコト


前条(29条)防火壁の構造は以下の規定とすること
1号 
耐火構造とすること
2号 
両端は外壁に達すること。ただし木造建築物においてはこれに近接する木部より1尺(30cm)以上屋外に突出させること
3号 
上端は屋根面に直角に計り、1尺5寸(45cm)以上屋上に突出させること。ただし耐火構造の屋根においては屋上に突出させてもよい
4号 
各開口の幅及び高さは9尺(2.7m)以下とし、甲種防火戸の設備を有すること。ただし特殊な用途に使用する建築物においては地方長官の許可を受け幅及び高さを12尺(3.6m)までとすることができる。
5号 
窪み壁溝を設ける場合といえども、その部分の壁厚はレンガ造及び石造の場合は7寸(21cm)以上、鉄筋コンクリート造の場合は3.5寸(10.5cm)以上とすること

現在の施行令第113条では壁・屋根とも突出部は50cm以上です。
又、構造は自立が原則でレンガ造などの組積造は認められていません。



第三十一篠 (防火壁における命令)
防火壁アル建築物二於テ屋窓、装飾塔等ノ屋上突出部木造ニシテ延焼ノ虞アリト認ムルトキハ地方長官ハ其ノ構造二對シ防火上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得

防火壁がある建築物に於いて天窓、装飾等などの屋上突出部が木造にて延焼の恐れがあると認めるときは、地方長官はその構造に対し防火上必要な命令を発し、又は処分をすることができる。

第三十二條 (3階建ての防火壁の構造)
三階建ノ木造又ハ木骨造建物ノ防火壁ハ鐡筋「コンクリート」造又ハ鐵骨造ト爲スヘシ

3階建ての木造又は木骨造建物の防火壁は鉄筋コンクリート造又は鉄骨造とすること

今回は第29条から32条までです。

2010年3月8日月曜日

市街地建築物法施行規則 13

第二十六條 (保安上の命令)
地方長官保安上必要ト認ムルトキハ階段ノ設置ヲ命シ又ハ其ノ配置若ハ設備ノ變更ヲ命スルコトヲ得

地方長官は保安上必要と認めるときは階段の設置を命じ、又は配置もしくは設備の変更を命じることが出来る。

第二十七條 (屋根の構造)
屋根ハ耐火構造ニ非サルトキハ不燃材料ヲ以テ覆葺スヘシ但シ「モルタル」塗、漆喰塗ノ類ヲ以テ覆葺セムスルトキハ地方長官ノ許可ヲ受クヘシ茶室、四阿ノ類ノ屋根又ハ輕微ナル庇ノ類ハ土地ノ状況ニ依リ地方長官ノ許可ヲ受ケ本條ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

屋根を耐火構造にしないときは、不燃材料をもって噴くこと。ただし、モルタル塗り、漆喰塗り等にて覆うときは、地方長官の許可を受けること。茶室、東屋(四阿)の類の屋根又は軽微な庇などの場合は、土地の状況により地方長官の許可を受け、本条の規定によることとする。四阿とは「あずまや」のことだと解釈してください。

第二十八條 (小規模工作物の規定)
地方長官ハ物干、物見臺等屋上工作物二關シ必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

地方長官は物干し、物見塔、屋上工作物に関し必要な規定を設けることが出来る。これらは細則で決めることができる事項のようです。

法26条から28条までです。

2010年3月5日金曜日

市街地建築物法施行規則 12

第二十四條 (扉等の突出)
道路ニ面スル出入口及窓ノ扉ハ開閉ノ際雖モ建築線ヨリ突出セサル構造ト爲スヘシ但シ路面上十尺以上ニ在ルモノハ此ノ限ニ在ラス

道路に面する出入口及び窓の扉は開閉の際といえども、建築線より突出させる構造としてはならない。ただし路面上10尺(3m)以上にあるものはこの限りでない。

第二十五條 (階段の構造)
階段ノ構造ハ左ノ規定二依ルヘシ但シ避難階段其ノ他特殊ノ用途ニ供スルモノハ此ノ限ニ在ラス
一 階段及踊場ノ幅ハ内法二尺五寸以上ト爲スコト
二 蹴上七寸五分以下踏面五寸以上卜爲スコト
三 高十五尺ヲ超ユルモノニ在リテハ高十五尺以内毎ニ踊場ヲ設クルコト

階段の構造は以下の規定によること。ただし、避難階段その他特殊な用途に供するものはこの限りでない。
1号 階段及び踊り場の幅は内法2尺5寸(750mm)以上とすること。
2号 蹴上げ7寸5分(22.5cm)以下、踏面5寸(15cm)以上とすること
3号 高さ15尺(4.5m)を超えるものについては、高さ15尺(4.5m)以内ごとに踊り場を設けること

現在の建築基準法では用途ごとに仕様が異なっているが、当時は階段はこれが最低遵守すべき事項だったようです。
現在の住宅は蹴上げ23cm以下、踏面15cm以上ですから、この当時から変わっていませんが、踊り場の位置は現在は4m以内ごと(学校は3m以内)ですから、危険性があると判断されたようです。

2
階段ノ用途ニ依リ危險ナリト認ムルトキハ地方長官ハ前項ノ規定ニ拘ラス必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得

2項
階段の用途により危険だと認めたときは、地方長官は前項の規定にかかわらず必要な命令を発し、又は処分をすることができる。
第1項の規定では、小学校などは適していないのは当然ですから、望ましい階段にするように必要な命令を発し(つまり、施行細則などで)別途規定を設けることができるようです。

今回は、第24条と第25条です。

2010年3月4日木曜日

市街地建築物法施行規則 11

第二十條 (居室の換気)
居室ニ於テハ直接外氣ニ面シテ室面積ノ二十分ノ一以上ニ相當スル面積ヲ開放シ得ヘカラシムヘシ但シ之ニ代ルヘキ適當ノ換氣装置アルトキハ此ノ限ニ在ラス

2 前條第五項、第七項及第八項ノ規定ハ本條ニ之ヲ準用ス
 
居室においては直接外気に面して室面積の1/20以上に相当する面積を開放し得ること。但しこれに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
2項

前条第5項、第7項及び第8項の規定は本条に準用する。
(採光の規定です)

第二十一條 (居室の特例)
特殊ノ用途ニ充ツル作業室ニシテ已ムヲ得サルモノハ地方長官ノ許可ヲ受ケ第十七條第十九條及第二十條ノ規定ニ依ラサルコトヲ得

特殊な用途に用いる作業室にして、規定を適用できないものについては、地方長官の許可を受けて第17条(防湿)第19条(採光)第20条(換気)の規定によらなくてもよい。

第二十二條 (浴室及び便所の窓)
浴室及便所ニハ採光換氣ノ爲直接外氣ニ面シ適當ナル窓ヲ設ケ又ハ之ニ代ルヘキ設備ヲ爲スヘシ

浴室及び便所には採光換気のための直接外気に面して適当な窓を設け、又はこれに代わるべき設備を設けること

第二十三條 (防疫上必要な設備)
地方長官ハ建築物ニ對シ防疫上必要ナル防鼠其ノ他ノ設備ヲ命スルコトヲ得

地方長官は建築物に対し防疫上必要な防鼠その他の設備を命じることが出来る。

今回は20条から23条までアップします。

2010年3月3日水曜日

市街地建築物法施行規則 10

第十九條 (居室の採光)
居室ハ其ノ室面積ノ十分ノ一以上ノ有効面積ヲ有スル窓又ハ之ニ代ルへキ採光面ヲ有スヘシ

居室は室面積の1/10以上の有効面積を有する窓又はこれに代わる採光面を有することこの時代は用途別でなかったようですね。

2  前項ノ採光面幅三尺以上ノ縁側ヲ距ツル場合ハ其ノ採光面積ノニ分ノ一ヲ有効面積ト看做ス此ノ場合ニ於テ濡縁ハ縁側ト看做サス

2項 
前項の採光面幅3尺(90cm)以上の縁側がある場合は、その採光面積の1/2を有効面積とみなす。この場合において濡れ縁は縁側とはみなさない。

3  第一項ノ採光面積ハ左ノ各號ニ該當スル部分ニ限リ有効ナルモノト看做ス但シ道路、公園、廣場等ノ空地二面スルモノニ在リテハ此ノ限二在ラス

3項 
第1項の採光面積は次の各号に該当する部分に限り有効なものとみなす。ただし道路、公園、広場等の空地に面するものについてはこの限りでない。


一 其ノ部分ヨリ直上屋根面(直上屋根面ナキトキハ壁頂迄以下同シ)ニ至ル高ハ住居地域内二於テハ其ノ面スル隣地境界線迄ノ水平距離ノ二倍半ヲ、商業地域内合ニ於テハ五倍ヲ、住居地域及商業地域外ニ於テハ四倍ヲ超過セサルコト

1号 
その部分より直上屋根面(直上屋根面が無いときは、壁頂まで。以下同じ)に至る高さは住居地域においてはその面する隣地境界線までの水平距離の2.5倍、商業地域においては5倍、住居地域及び商業地域以外においては4倍を超えること。


二 其ノ部分ヨリ直上屋根面ニ至ル高ハ住居地域内ニ於テハ同一敷地内ニ在ル對向壁迄ノ水平距離ノ二倍半ヲ、商業地域内ニ於テハ五倍ヲ、住居地域及商業地域外ニ於テハ四倍ヲ超過セサルコト但シ其ノ部分ヲ含ム水平面ヨリ對向壁直上ノ屋根面ニ至ル高ハ住居地域内ニ於テハ對向壁迄ノ水平距離ノ二倍半ヲ、商業地域内ニ於テハ五倍ヲ、住居地域及商業地域外ニ於テハ四倍ヲ超過セサルトキハ此ノ限ニ在ラス

2号 
その部分より直上屋根面に至る高さは住居地域内においては、同一敷地内にある対向いの壁までの水平距離の2.5倍、商業地域内においては5倍、住居地域及び商業地域以外においては4倍を超えること。ただしその部分を含む水平面より対向壁直上の屋根面に至る高さは住居地域においては対向壁までの水平距離の2.5倍を、商業地域内においては5倍を、住居地域及び商業地域以外においては4倍を超えるときはこの限りでない。


4  主トシテ住居ノ用ニ供スル建築物ニ在リテハ住居地域外ニ在ルモノト雖モ前項ノ適用ニ關シ住居地域内ニ在ルモノト看做ス

4項 
主として居住の用に供する建築物については住居地域外にあるものといえども、前項の適用に関し住居地域内にあるものとみなす。

5  軒、庇其ノ他著シク採光ヲ妨クルモノアリト認メ又ハ衛生上特別ノ必要アリト認ムルトキハ地方長官ハ採光面ニ關シ特ニ其ノ面積ノ增加ヲ命スルコトヲ得

5項
軒、庇その他著しく採光面を妨げるものありと認め、又は衛生上特別な必要があると認めた場合は地方長官は採光面に関し特に面積の増加を命じることがある。

6  第一項ノ適用二於テ天窓ハ其ノ面積ヲ三倍ニ換算ス

6項 
第1項の適用において天窓はその面積の3倍に換算する。

7  第一項ノ面積二相當スル窓又ハ之ニ代ルヘキ採光面ノ都分ハ其ノ上端ヲ床面上五尺七寸以上ト爲スヘシ

7項 
第1項の面積に相当する窓又はこれに代わる採光面の部分はその上端を床面上5尺7寸(171cm)以上とすること


8  随時開放シ得ル襖、障子ノ類ヲ以テ仕切リタル二室ハ本條ノ適用ニ關シ之ヲ一室ト看倣ス

8項 
随時開放しえる襖、障子の類をもって仕切る2室は本条の適用に関しこれを1室とみなす。

今回は採光に関する記述の第19条のみです。

2010年3月2日火曜日

市街地建築物法施行規則 9

施行規則つづきです。

第十五條 (地盤と接する壁)
建築物ノ壁體ニシテ直接土壌ニ接觸スル部分ハ耐水材料ヲ以テ構造スヘシ但シ門、障塀其ノ他輕微ナルモノハ此ノ限二在ラス

建築物の外壁が直接土壌に接触する部分は、耐水材料を用いた構造とすること。ただし門、障塀その他軽微なものについてはこの限りでない。


第十六篠 (床下の防湿)
居室ノ床地盤面下ニ在ル建築物ニ在リテハ最下階ノ居室ノ床又ハ其ノ床下ハ耐水ヲ以テ構成シ其ノ壁體及床下ニハ適當ナル防濕方法ヲ施スヘシ

居室の床が地盤面下にある建築物については最下階の居室の床又は床下は耐水性のある構造とし、その壁及び床下には適当な防湿方法を施すこと。


第十七篠 (床下の防湿)
居室ノ床高ハ一尺五寸以上爲スヘシ但シ床又ハ床下ニ「コンクリート」叩其ノ他適當ナル防濕方法ヲ施シタルモノハ此ノ限二在ラス
2 居室ノ床木造ナルトキハ其ノ床下ニハ適當ナル換氣方法ヲ講スヘシ

居室の床高は1尺5寸(45cm)以上とすること。ただし床又は床下にコンクリートの叩きその他適当な防湿方法を施したときはこの限りでない。
2項 

居室の床が木造のときはその床下には抵当な換気方法を講ずること


第十八條 (居室の天井高)
居室ノ天井高ハ七尺以上ト爲スヘシ

居室の天井高は7尺(2.1m)以上とすること

今回は第15条から第18条までアップ

2010年3月1日月曜日

市街地建築物法施行規則 8

市街地建築物法施行規則 第三章 第一節2回目です。

第十一條 (汚物溜枡等の構造)
便所、畜舎等ヨリ排出スル汚物ニ對シ汚物溜ヲ設ケムトスルトキハ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
2
汚物溜ハ耐水材料ヲ以テ構造シ適當ナ防水装置ヲ施シ且覆蓋皿ヲ設クヘシ

便所、畜舎等より排出する汚物に対し汚物溜めを設けるときは、地方長官の許可を受けること
2項 
汚物溜めは耐水材料を用いた構造とし、適当な防水装置を施し、且つ覆い蓋皿を設けること

第十二條 (汚物の排水)
便所、畜舎等ヨリ排出スル汚物の地方長官ノ指定スル下水道ニ非サレハ之ニ放流スヘカラス但シ地方長官ノ承認スル汚物處理槽ヲ設クルトキハ此ノ限ニ在ラス

便所、畜舎等より排出する汚物の地方長官が指定する下水道でなければ放流してはならない。但し地方長官の承認する汚物処理槽を設けるときはこの限りでない。

第十三條 (汲み取り便所の構造)
汲取便所ノ構造ハ左ノ規定ニ依ルヘシ

汲み取り便所の構造は以下の規定によること

一 糞尿壼及尿樋ハ不滲透質ノ材料ヲ以テ造リ糞尿壼ノ上口周圍ハ厚三寸以上ノ「コンクリート」ヲ以テ漏斗状ニ作リ不滲透質ノ材料ヲ以テ上塗ヲ爲スコト

糞尿壷及び尿樋は不浸透性の材料で造り、糞尿壷の上口周囲は熱さ3寸(9cm)以上のコンクリートをもって漏斗状に作り、不浸透性の材料にて上塗りをすること

二 床下ハ周圍ニ耐水材料ヲ以テ障壁ヲ設ケ他ノ部分ト遮斷スルコト

床下は周囲に耐水材料をもって障壁を設け他の部分と遮断すること

三 汲取口ハ其ノ下端ヲ其ノ接スル地盤面ヨリ三寸以上高クシ且之ヲ直接道路二面セシメサルコト

汲み取り口は下端が接する地盤面より3寸(9cm)以上高くし、且つ直接道路に面して設けること

第十四條 (便所と井戸の距離)
井戸ト汲取便所及汚物溜トノ距離ハ三間以上ヲ有セシムヘシ但シ地方長官其ノ構造設備又ハ土地ノ状況ニ依リ衛生上支障ナシト認メタルトキハ此ノ限ニ在ラス

2
地方長官ハ井戸ノ位置、構造又ハ設備ニ關シ前項ノ外必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

井戸と汲取便所及び汚物溜との距離は3間(5.46m)以上を確保すること。但し地方長官が構造設備又は土地の状況に依り衛生上支障なしと認めたときはこの限りでない。
2項 
地方長官は井戸の位置、構造又は設備に関し前項の外必要な規定を設けることができる。


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