2014年7月2日水曜日

異種用途区画

異種用途区画は用途・規模により2種類に分けられる。
基準法施行令第112条第12項と、第13項である。

大規模な施設などで一般に異種用途区画と呼ばれるのは第13項のほうで、1時間の準耐火性能の壁・床・建具(特殊防火設備・旧甲種防火戸)などで区画する必要がある。

忘れやすいのが一般に法24条区画と呼ばれる、施行令第112条第12項区画である。
法24条には「木造建築物等である特殊建築物の外壁等」とあるので、鉄骨造なら関係ないと思われがちであったり、別表(1)記載の特殊建築物のみが対象と思われがちであるが、それは勘違い。

法24条に記載された用途であれば木造のみでなく鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、すべてが対象になり得るので注意が必要である。

又、「車庫」は別表の上では特殊建築部の定義は100m2以上であるが、法24条では50m2以上が対象なので、純粋な特殊建築部の定義とは外れるのでここも注意が必要である。

この第12項異種用途区画は準耐火構造の壁(45分)で囲い、防火設備の建具(旧乙種防火戸)などで区画すれば良いとあるので13項の異種用途区画に比べて少々緩い設定になっている。
こちらは「床」は対象外なので、その点も13項より緩い。

木造一戸建て住宅のような4号建築物でも、この第12項異種用途区画が発生する可能性もあるから注意が必要である。50m2を超えるビルトインガレージを計画する場合、車庫の間仕切り壁が該当するのである。

これは結構事例が適用されるので、車庫への出入りする勝手口ドアなどを選択する場合に注意が必要となる。
他に、100m2を超える物品販売店舗が住宅と併用する場合にも注意が必要である。

2014年6月27日金曜日

木造の小屋裏で耐火構造??

「建築物の防火避難規定の解説」によれば耐火建築物の屋上に修景のために設ける置屋根の構造について記載されている。これによると「不燃材」で造られてあればよいものとある。

ということは、鉄骨骨組で瓦屋根であれば修景屋根の耐火構造は可能だが、木造も可能なのか?
認定品などでは可能な場合もあるので絶対に不可能とまではいえない。

2014年6月25日水曜日

市街地建築物法施行細則 大阪6

第十八條(適用書に記載する事項)
前項第一項ノ摘要書ハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 用途但シ住居地域内ニ於ケル自働車ノ車庫ニ付テハ其収容臺數牛舎厩ニ付テハ牛馬ノ収容頭數工業地域外ニ於ケル工場ニ付テハ其職工數原動機馬力數ノ合計汽罐ノ有無倉庫ニ付テハ貯藏物品ヲ附記スルコトヲ要ス
二 地域地區
三 位置
四 敷地面積(坪数)
五 建築面積(坪効)ノ合計(現存スル建築物ノ建築面積ヲ含ム)
六 各建築物ニ付其ノ構造種別高軒高階數各階面積其他ノ概要
七 増築改築移轉大修繕大變更又ハ用途ノ變更ヲ爲サムトスルモノニ在リテハ其ノ事項及工事ノ要旨
八 特ニ許可認可又ハ承認ヲ受クルヲ要スル事項アルトキハ其ノ當該條項事項及事由
九 建築工事請負人建築設計者又ハ工事監督主任者アルトキハ其ノ氏名住所(建築工事管理者タル場合ヲ除ク)
十 起工期日
十一 竣工期日
2
前項建築工事請負人又ハ工事監督主任者ニ付テハ起工五日以前ニ其ノ届出ヲ爲スモ妨ケナシ

前項第1項の適用書は、以下の事項を記載すること
1号
用途。ただし住居地域内における自動車車庫についてはその収容台数、牛舎厩舎については牛馬の収容頭数、工業地域以外における工場についてはその職工数、原動機の馬力数の合計、ボイラーの有無、倉庫については貯蔵物を附記すること
2号
地域地区
3号
位置
4号
敷地面積(坪数)
5号
建築面積(延べ床面積)(坪数)の合計(現存する建築物の床面積を含む)
6号
各建築物につき、その構造種別、高さ、軒高、階数、各階の面積その他概要
7号
増築、改築、移転、大修繕、大変更又は用途の変更をするものにおいては、その事項及び工事の要旨
8号
特に許可、認可又は承認を受ける事項があるときは、その当該条項、事項及び事由
9号 
建築工事請負人、建築設計者又は工事監督主任者があるときは、その住所氏名(建築工事管理者の場合を除く)
10号 
着工日
11号 
竣工日
2項 
前項の建築工事請負人又は工事監督主任者においては、着工5日前までに届出すること



第十九條(設計図書に添付する説明書)
第十七條第一項ノ設計書ハ左ノ事項ヲ記載スルコトヲ要ス
一 圖面ニ示シ難キ構造設備材料ノ種類寸法其ノ他仕様ノ梗概
二 鐵骨造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ在リテハ其ノ代表的主要部分ノ構造強度計算
三 昇降機、排水工事、汚物處理槽、煖房、消火設備、避雷設備其ノ他ノ附屬設備アルトキハ其ノ構造及説明

第17条第1項の設計書は、以下の事項を記載すること
1号
図面に示すことが困難な構造設備材料の種類、寸法、その他仕様の概要
2号
鉄骨造又は鉄筋コンクリート造については、その代表的主要部分の構造強度計算
3号
昇降機、排水工事、汚物処理槽、暖房、消火設備、避雷設備その他の付属設備があるときはその構造及び説明


今回は19条まで

市街地建築物法施行細則 兵庫5

第二十五條(設計書への記載事項)
第二十三條第一項ノ設計書ニハ左ノ事項ヲ記載スルヲ要ス
一 圖面ニ記シ難キ構造設備、材料ノ種類、寸法其ノ他仕様ノ梗概
二 鐵骨造又ハ鐵筋「コンクリート」造ニ在リテハ其ノ代表的主要部分ノ構造強度計算
三 避雷設備、昇降機、消火設備、煖房竝通風設備、排水工事、汚物處理槽其ノ他ノ附屬設備アルモノニ在リテハ其ノ構造及仕様


第23条第1項の設計書には以下の事項を記載すること
1号
図面に記載の難しい構造設備、材料の種類、寸法その他仕様の概要
2号
鉄骨造又は鉄筋コンクリート造においては、その代表的主要部分の構造強度計算
3号
避雷設備、昇降機、消火設備、暖房・通風設備、排水工事、汚物処理槽その他の付属設備があるものにおいては、その構造及び仕様


第二十六條(図面記載事項)
第二十三條第一項ノ圖面ハ左ノ各號ニ依ルコトヲ要ス
一 配置圖 (縮尺五十分ノ一、百分ノ一、二百分ノ一、三百分ノ一又ハ六百分ノ一)
二 各階平面圖 (縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)
三 主要斷面圖 (縮尺五十分ノ一又ハ百分ノ一)
四 立面圖 (縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)
五 各階床組平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)
六 小屋組平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)
七 地形平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)
八 前條第三號ノ設備ニ圖面關スル前項ノ配置圖ニハ敷地境界線、建築物ノ配置、四隣道路其ノ他ノ状態、方位等ヲ明示シ且敷地ノ大サ各建築物ノ建築面積、周圍道路ノ幅員、建築物ト敷地境界線竝建築物相互間ノ距離ヲ記入スヘシ

2
第一項ノ平面圖ニハ各部ノ用途、寸法各居室ニ付其ノ床面積及採光面積方位等ヲ明示スヘシ
3
第一項ノ断面圖ニハ建築物ノ高、軒高、階高、床高、其他ノ寸法、基礎其ノ他主要材料ノ種類、寸法、同一敷地内ノ隣接建物トノ關係等ヲ明示スヘシ
4
第一項ノ各階床組平面圖、小屋組平面圖竝地形平面圖ニハ材料ノ種類、寸法及間隔等ヲ明示スヘシ
5
第一項各號ノ圖面ニハ縮尺ヲ記入シ且申請ニ係ル部分ト其ノ他ノ部分トヲ着色其ノ他ノ方法ニヨリ區別スヘシ
6
規模小ナル建築物又ハ特ニ其ノ必要ナシト認ムルモノニ在リテハ第一階平面圖ヲ以テ配置圖ニ充用シ第一項第三號乃至第七號ノ圖面ヲ省畧スルコトヲ得


第23条第1項の図面は以下の各号によること
1号
配置図(縮尺1/50、1/100、1/200、1/300、1/600)
2号
各階平面図(縮尺1/50、1/100、1/200)
3号
主要断面図(縮尺1/50、1/100)
4号
立面図(縮尺1/50、1/100、1/200)
5号
各階床組伏図(縮尺1/50、1/100、1/200)
6号
小屋伏図(縮尺1/50、1/100、1/200)
7号
地形平面図(縮尺1/50、1/100、1/200)
8号
前条3号の設備の図面に関する前項の配置図には敷地境界線、建築物の位置、周辺道路その他の状態、方位等を明示して、かつ、敷地の大きさ、建築物の建築面積、周囲道路の幅員、建築物と敷地境界線、建築物相互間の距離を記入すること
2項
第1項の平面図には各部の用途、寸法、各居室の床面積及び採光面積、方位等を記入すること
3項
第1項の断面図には建築物の高さ、軒高、階高、床高、その寸法、基礎その他の主要材料の種類、寸法、同一敷地内の隣接建物との関係等を明示すること
4項
第1項の各階床伏図、小屋伏図、地形平面図には材料の種類、寸法及び間隔等を明示すること
5項
第1項各号の図面には縮尺を記入し、かつ申請に係る部分とその他の部分とを着色その他の方法により区別すること
6項
規模の小さい建築物又は特にその必要の無いと認められるものについては、第1階平面図をもって配置図に充用し、第1項第3号から第7号の図面を省略することができる
26条までアップ

市街地建築物法施行細則 兵庫7

第三十一條(届出内容の変更時)
第二十三條ニ依リ申請シタル建築物ニ付竣工届出前建築主、建築工事管理者、建築工事請負人ニ變更ヲ生シタル場合ニハ双方連署ノ上五日以内ニ知事ニ届出ツヘシ但シ連署シ能ハサルトキハ其事由ヲ具スヘシ
2
前項ノ建築物ニ付竣工届出前建築主ノ住所氏名、職業、建築工事管理者、建築工事請負人、建築設計者若ハ建築工事監督主任者ノ住所氏名又ハ法定代理人、保佐人、夫若ハ其ノ氏名ニ變更ヲ生シタルトキハ五日以内ニ知事ニ届出ツヘシ工事期間ヲ變更セムトスルトキ亦同シ

第23条により申請した建築物につき、竣工届け前に建築主、建築工事管理者、建築工事請負人に変更を生じた場合には、双方の連署の上、5日以内に知事へ届け出ること。ただし連署が困難な場合は事由を記入すること
2項
前項の建築物につき、竣工届け出前に建築主の住所氏名、職業、建築工事管理者、建築工事請負人、建築設計者もしくは建築工事監督主任者の住所氏名又は法定代理人、保佐人、夫もしくはその氏名に変更を生じたときは、5日以内に知事に届け出ること。工事期間を変更しようとする場合も同様とする



第三十二條(設計内容の変更)
第二十三條ニ依リ申請シタル建築物ニ付工事竣工届出前第二十四條(第一項第七號及第八號ノ場合ヲ除ク)乃至第二十六條ノ事項ヲ變更セムトスルトキハ關係圖面ヲ具シ知事ノ認可ヲ受クヘシ

第23条により申請した建築物につき、工事竣工届出前に第24条(第1項第7号及び第8号の場合を除く)から第26条の事項を変更しようとするときは、関係図面を添付し知事の認可を受けること

第三十三條(記載事項)
第三十一條又ハ前條ノ申請書又ハ届書ニハ認可ノ年月日及番號(建築認可以前ニ在リテハ前申請書届出ノ年月日)ヲ附記スルコトヲ要ス

第31条又は前条の申請書又は届出書には、認可の年月日及び番号(建築認可以前においては前の申請書、届出書の年月日)を記載すること


第三十四條(着工前の届出)
施行規則第百四十四條第一項ノ届書ハ第二號様式ニ依リ摘要書竝配置圖及各階平面圖ヲ添付シ起工十日前ニ提出スヘシ
2
前項ノ摘要書ハ第二十四條ニ準シ圖面ハ第二十六條ニ準シ作成スルコトヲ要ス
3
第一項ノ届出ニハ第二十三條第三項及前條ヲ準用ス

施行規則第144条第1項の届出は、第2号様式により適用書、配置図及び各階平面図を添付し、着工10日前までに提出すること
2項
前項の適用書は第24条に準じ図面は第26条に準じ作成すること
3項
第1項の届出書には、第23条第3項及び前条を準用する


第三十五條(軽微なものとして届出が不要な規模)
施行規則第百四十四條第二項ニ依リ届出ヲ要セサル建築物左ノ如シ
一 居室ヲ有セサル建築物ニシテ其ノ建築面積二十坪以下且其ノ高二十六尺以下ノモノ
二 高九尺以下ノ墻壁又ハ之ニ附屬スル門戸ノ類

施行規則第144条第2項により届出を要しない建築物は以下のとおりである
1号
居室を有しない建築物で、その建築面積が20坪(66m2)以下かつ高さ26尺(7.8m)以下のもの
2号
高さ9尺(2.7m)以下の垣壁又はこれに付属する門戸の類


今回は35条まで

小屋裏隔壁

施行令第114条に小屋裏が木造で建築面積300m2以上のものには小屋裏部分に準耐火の隔壁を設けなければならない。

複層階の建物や、準防火地域内の建築物、700m2を超えれば消防法の関係などから準耐火以上とする場合が多いので意外と意識に無いのでが、平屋の木造の場合などで300m2を超える規模の集会所や店舗などでは求められることが有る。

12mを超える桁行の場合に12m以内に設ける必要がある。この隔壁の意味は火災時に延焼を防ぐために設けられるものであるので、天井の直上から小屋裏の屋根に達するまで覆う必要がある。
居室部分のみでなく、廊下部分も対象になるので注意が必要である。

共同住宅等では「界壁」があるが、界壁は壁から小屋裏まで、床があれば床も対象になるのに対し、小屋裏隔壁は小屋裏のみに設けるものであるので、直下に大広間があっても差し支えない。

この対象建物は「小屋裏が木造」なので仮に壁などがRC造、小屋裏が木造の建物で床面積が300m2超えていれば対象になるので注意が必要である。

除外される場合としては、

1.耐火建築物の場合

2.全ての各室、廊下などの壁天井の内装が難燃材料以上のもの(壁が床から1.2m以上のもの)。注意点は「室」なので物置などの非居室も該当する。

3.スプリンクラーなどの自動火災設備と排煙設備を設ける場合

4.畜舎・堆肥舎などの農業用用途のもので、周辺の状況が避難可能なもの

これらの建物は小屋裏隔壁は不要である。


2014年6月24日火曜日

防火区画

防火区画とは、建物火災時に火災が一定の範囲内で囲い込み、拡大を防ぐために設けるものである。
建築基準法では面積区画、高層区画、竪穴区画、異種用途区画といった区分だろうか。

この防火区画、それぞれで壁や床の仕様や開口部、スパンドレルの有無などが異なるのでややこしい。

壁や床の仕様は建物の主要構造部に該当するので、その建物が耐火・準耐火などにより、それと同様の仕様で作ることが原則になる。45分準耐火で良いとされる竪穴区画であっても、イ-1準耐火なら1時間準耐火、耐火建築物なら耐火構造としなければならない。

外壁に火災時に火が回り込まないように設ける折り返しの「スパンドレル」であるが、面積区画、高層区画、竪穴区画には設けなければならないが、異種用途区画の場合は求められていない。

異種用途区画は他の条文などでは防火区画より厳しいのだが、何故スパンドレル不要なのか? 
異種用途区画は「煙」の区画侵入を防止することが大きな目的として扱われているようである。よって、「炎」の拡大を防ぐ防火区画と考え方が違うようである。