2014年6月23日月曜日

常時閉鎖防火戸と随時閉鎖防火戸の違い

似たような言葉であり、混同しやすい。整理しておく。
防火戸とは、特定防火設備と防火設備の2種類がある。特定防火設備は旧「甲種防火戸」、防火設備は「乙種防火戸」と呼ばれていた。甲乙の符号でイメージしやすいが、甲種の方が性能が良い。

特定防火設備(甲種)は「火災による加熱後1時間加熱面以外の面に火炎を出さないもの」(平成12年告示第1369号)
防火設備(乙種)は「火災による加熱後20分間当該加熱面以外の面に火炎を出さないもの」と規定されている。(基準法第109条の2)

で、表題の常時閉鎖防火戸と随時閉鎖防火戸だが、これは特定防火設備(甲種)の中での区分である。

常時閉鎖は、「煙感知器と連動した防火設備の自動閉鎖機構」とあり、符号は「CAS」で表す。(一般に2号とも呼ばれる)(昭和48年告示2564号)

随時閉鎖は、「熱感知器と連動した防火設備の自動閉鎖機構」とあり、符号は「CAT」で表す。(一般に1号とも呼ばれる)(昭和48年告示2563号)

英語で、CAはともに「Close automatically」自動閉鎖の略で、Sは煙の「smoke」、Tは温度の「temperature」の略である。

性能では常時閉鎖CASの方が、性能が良い。というのも常時閉鎖CASは、随時閉鎖CATの性能を含んでおり、煙が漏れない気密性が規定されている。

常時閉鎖CAS>随時閉鎖CAT>規定なし の関係となる。

常時閉鎖(遮煙)の要求される建具は、竪穴区画(令112条9項)および階段・エレベータなどの昇降路部分、(令112条1項2号、8項)異種用途区画(令112条12項、13項)に要求される。避難階段などの室内側に設けられる防火戸の場合は遮煙性能が必要と覚えておこう。


0 件のコメント: