市街地建築物法施行令 私家版第6回目です。
第7條(前面道路の幅員による高の制限)
1 建築物各部分ノ高ハ其ノ部分ヨリ建築物ノ敷地ノ前面道路ノ対側境界線迄ノ水平距離ノ1倍4分ノ1ヲ超過スルコトヲ得ズ旦其ノ前面道路幅員1倍4分ノ1ニ8メートルヲ加ヘタルモノヲ限度トス但シ住居地域外ニ在ル建築物ニ付テハ1倍4分ノ1ヲ1倍2分ノ1トス
これは現在の道路斜線の扱いに近い。1倍4分ノ1とは1.25、道路斜線は8mを加えた範囲を限度とする。住居地域以外では斜線勾配は1.5とする。
2 前項ノ高トハ前面道路ノ中央ヨリノ高ヲ謂フ
道路斜線の高さ道路中央の高さからをいう
第8條(幅員同じからざる2以上の道路に面する場合の高の制限)
1 建築物ノ敷地ガ幅員同ジカラザル2以上ノ道路ニ接スル場合ニ於テ1ノ道路ノ境界線迄ノ水平距離ガ其ノ道路幅員ノ1倍2分ノ1以内ニシテ且25メートル以内ノ区域ノ内ニ在ル建築物各部分ノ高ニ付テハ前條ノ規定ノ適用ニ関シ其ノ道路ヲ前面道路卜看做ス
幅員の異なる2以上の道路に接する場合、1つの道路の境界線までの水平距離がその道路幅員の1.5倍以内且つ25m以内の区域内にある建築物各部の高さについては、道路斜線については前条の規定を適用し、(住居地域内であっても住居地域以外の)道路とみなす。
ちなみに施行当初は25mは80尺となっていた。
現在の建築基準法は2Aかつ35m以内なので、昔のほうが厳しかったといえる。
2 前項ノ規定ニ依ル前面道路2以上アル場合ニ於テ其ノ幅員同ジカラザルトキハ幅員小ナル前面道路ハ幅員最大ナル前面道路卜同一ノ幅員ヲ有スルモノト看做ス
前項の規定による前面道路2以上ある場合において幅員が同じでないときは、幅員の小さい前面道路は幅員の大きいほうの前面道路と同一の幅員を有するものとみなす。
3 第1項ノ場合ニ於テ同項ニ規定スル区域ノ外ニ在ル建築物各部分ニ付テハ幅員最大ナル道路ヲ前面道路ト看做ス
第1項の場合、住居地域の規定外の敷地にある建築物については、最大幅員の道路を前面道路とみなす。
第9條(建築線が道路境界線と一致しない場合)
1 道路境界線ガ建築線卜一致セザル場合ニ於テハ道路境界線又ハ道路幅員ニ関スル前2條ノ規定ノ適用ニ関シ建築線ヲ其ノ道路境界線卜看做ス
道路境界線が建築線と一致しない場合には(これは道路に水平に建築物線を設けない場合)建築線を道路境界線とみなして道路斜線などの規定を適用する。
街並みの建築線を一致させるため、前2条他は道路線と一致させていたようです。
第10條(前3條の特例)
1 建築物ノ敷地左ノ各号ノ一ニ該当スルトキハ前3條ノ規定ニ拘ラズ行政官庁別段ノ定ヲ爲スコトヲ得
一 公園、廣場、河、海ノ類ニ接スルトキ
ニ 前面道路ノ対側ニ公園、廣場、河、海ノ類アルトキ
三 其ノ地盤面卜前面道路ノ路面トノ高低ノ差著シキトキ
四 高低ノ差著シキ2以上ノ道路ニ接スルトキ
五 道路ノ終端ニ位スルトキ
道路高さによる制限の特例
以下の規定によるときは、行政は別途定めることができる。
1 公園、広場、河、海などに接するとき
2 前面道路の反対側に公園、広場、河、海などがあるとき
3 道路と地盤面に高低差があるとき
4 高低の差が著しい2以上の道路に接するとき
5 敷地が道路の終端に位置するとき
今回は第7條から第10條まで掲載です。