2010年4月28日水曜日

市街地建築物法施行細則 大阪3

第八條(下水道)
便所蓄舎等ヨリ排出スル汚物ヲ放流シ得ル下水道ハ之ヲ告示ス

便所畜舎等より排出する汚物を放流しえる下水道はこれを告示する
当時の下水道事情がわかるような条文ですね。


第九條(井戸)
雑用井戸ハ汲取便所及汚物溜ヨリ九尺以上ノ距離ヲ保有セシムヘシ但其ノ構造設備ニ依リ六尺迄酌斟認可スルコトアルヘシ
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井戸ハ周圍及上部ヨリ汚水雨水等ヲ滲透浸入セサル様其ノ周圍ヲ石煉瓦「コンクリート」土管(素焼ヲ除ク)又ハ厚板ノ類ヲ以テ構造シ其ノ底ニハ深二尺以上川砂ヲ敷クヘシ但適當ニ接合シタル鐵管土管井戸ノ上部ニハ地面上高二尺以上ノ井筒ヲ使用スル鑿井ハ此ノ限リニ在ラス
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井戸ノ上部ニハ地面上高二尺以上井筒又ハ井桁ヲ設備シ其ノ周圍又地盤面ハ耐水材料ヲ以テ之ヲ構造スヘシ

用井戸は汲み取り便所及び汚物ためより9尺(2.73m)以上の距離を離すこと。ただし構造設備等により6尺まで緩和認可することがある。
2項
井戸は周囲及び上部より汚水、雨水等を浸透、浸入させないように周囲を石、レンガ、コンクリート土管又は厚板の類をの構造とし、その底には深さ2尺以上川砂を敷くこと。ただし適当に接合した鉄管、土管、井戸の上部には地面より2尺以上の高さの井筒を使用する等の措置をした場合はこの限りでない。
3項
井戸の上部には地上より2尺以上の井筒又は井桁を設備し、その周囲又は地盤面は耐水材料を施した構造とすること


第十條(階段)
學校教會堂公會堂集會場寄宿舎合宿所「デパートメントストア」並病院工場其ノ他警察取締ヲ受クル用途ニ供スル建築物ノ階段ハ別段ノ定アルモノヲ除クノ外左記各號ニ依ルヘシ但シ局部用ノモノハ此ノ限ニ在ラス

一 階段ノ幅ハ内法三尺以上トシ踊場ノ幅及長ハ階段ノ幅以上ト爲スコト
ニ 蹴上七寸以下踏面七寸以上トシ各段均一ナラシムルコト(曲線階段ノ踏段幅ノ中心線ニ於テ之ヲ測算ス)
三 高サ十二尺ヲ超エルモノニ在リテハ高十二尺以下毎ニ踊場ヲ設クルコト
四 階段ニハ扶欄ヲ設クルコト
五 階段ハ螺旋状ト爲ササルコト

学校、教会、公会堂、集会場、寄宿舎、合宿所、デパート、病院、工場その他警察の取締りを受ける用途に供する建築物の階段は別途定める場合以外は下記の各号によること。ただし、局部用のものはこの限りでない。
警察の取締りを受ける用途に供する建築物とは、当時は消防も警察の仕事であったため、現在でいう消防法の規定、避難、防災規定を受けるものという意味である。
ただし書きの局部の用とは、機械室やペントハウス、点検用の用途のものである。
1号
階段の幅は内法3尺(90cm)以上とし、踊り場の幅及び長さは階段の幅以上とすること
2号
蹴上げ7寸以下踏み面7寸以上(21cm)とし、各段は均一のこと。(曲線階段の踏み面は踏み段の幅の中心線において計測する。現在は内側より30cmです。)
3号
高さ12尺(3.6m)を超えるものについては高さ12尺以下毎に踊り場を設けること
4号
階段には手摺を設けること(壁手すりです)
5号
階段はらせん状としないこと
全般的に現在より緩い基準ですね。


今回は10条まで

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