2010年3月9日火曜日

市街地建築物法施行規則 14

施行規則私家版 14回目 結構多いですね。まだまだ序盤ですよ。

第二十九條 (防火壁)
建築面積二百坪以上ノ建築物ニハ建築面積二百坪以内毎ニ防火壁ヲ設クヘシ但シ外壁、床、屋根、柱及階段耐火構造ナルトキ又ハ地方長官其ノ用途ニ依リ巳ムヲ得スト認ムルトキ若ハ土地ノ状況ニ依リ特ニ支障ナシト認ムルトキハ此ノ限ニ在ラス

建築面積200坪以上(660m2)の建築物には、建築面積200坪以内毎に防火壁を設けること。ただし、外壁、床、屋根及び階段を耐火構造とするとき、又は地方長官がその用途により、やむをえずと認めるとき、若しくは土地の状況により特に支障がないと認めるときはこの限りでない。
現在の建築基準法では、法26条の1,000m2ごとの規定や、施行令114条による300m2ごとの隔壁規定、消防設備設置による緩和など多岐にわたっているが、この当時はシンプルですね。


第三十條 (防火壁の構造)
前條防火壁ノ構造ハ左ノ規定ニ依ルヘシ
一  耐火構造ト爲スコト
二  兩端ハ外壁ニ達スルコト但シ木造建築物ニ在リテハ之ニ近接スル木部ヨリ一尺以上屋外ニ突出セシムルコト
三  上端ハ屋根面ニ直角ニ測リ一尺五寸以上屋上ニ突出セシムルコト但シ耐火構造ノ屋根ニ在リテハ屋上二突出セシメサルコトヲ得
四  各開ロノ幅及高ハ九尺以下ニシテ甲種防火戸ノ設備ヲ有スルコト但シ特殊ノ用途二充ツル建築物二在リテハ地方長官ノ認可ヲ受ケ幅及高ヲ十二尺迄ト爲スコトヲ得
五 凹壁溝ヲ設クル場合ト雖モ其ノ部分ノ壁厚ハ煉瓦造及石造二在リテハ七寸以上、鐵筋「コンクリート」造二在リテハ三寸五分以上ト爲スコト


前条(29条)防火壁の構造は以下の規定とすること
1号 
耐火構造とすること
2号 
両端は外壁に達すること。ただし木造建築物においてはこれに近接する木部より1尺(30cm)以上屋外に突出させること
3号 
上端は屋根面に直角に計り、1尺5寸(45cm)以上屋上に突出させること。ただし耐火構造の屋根においては屋上に突出させてもよい
4号 
各開口の幅及び高さは9尺(2.7m)以下とし、甲種防火戸の設備を有すること。ただし特殊な用途に使用する建築物においては地方長官の許可を受け幅及び高さを12尺(3.6m)までとすることができる。
5号 
窪み壁溝を設ける場合といえども、その部分の壁厚はレンガ造及び石造の場合は7寸(21cm)以上、鉄筋コンクリート造の場合は3.5寸(10.5cm)以上とすること

現在の施行令第113条では壁・屋根とも突出部は50cm以上です。
又、構造は自立が原則でレンガ造などの組積造は認められていません。



第三十一篠 (防火壁における命令)
防火壁アル建築物二於テ屋窓、装飾塔等ノ屋上突出部木造ニシテ延焼ノ虞アリト認ムルトキハ地方長官ハ其ノ構造二對シ防火上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得

防火壁がある建築物に於いて天窓、装飾等などの屋上突出部が木造にて延焼の恐れがあると認めるときは、地方長官はその構造に対し防火上必要な命令を発し、又は処分をすることができる。

第三十二條 (3階建ての防火壁の構造)
三階建ノ木造又ハ木骨造建物ノ防火壁ハ鐡筋「コンクリート」造又ハ鐵骨造ト爲スヘシ

3階建ての木造又は木骨造建物の防火壁は鉄筋コンクリート造又は鉄骨造とすること

今回は第29条から32条までです。

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