2010年4月30日金曜日

市街地建築物法施行細則 大阪5

第十五條(特殊な建物の場合の許可)
土地ノ情態又ハ建築物ノ用途ニ因リ若ハ特殊ノ構造設備ニ係リ其ノ他特別ノ事情ニ依リ第二條乃至前條ノ制限ニ依ルヲ要セサルモノ又ハ之ニ代ルヘキモノハ衛生上有害ノ又ハ保安上危瞼ノ虞ナシト認メ若ハ公益上止ムヲ得スト認ムル場合ニ限リ其ノ制限ニ適合セサルモ特ニ認可スルコトアルヘシ

土地の状態又は建築物の用途により、もしくは特殊な構造設備、その他特別な事由により第2条から前条の制限にかかるもの、又はこれに代わる衛生上有害なもの又は保安条危険な恐れがあると認めたもの、もしくは公益上やむを得ずと認める場合に限りその制限に適合するものについては特に許可することがある。


第十六條(許可申請を要する建築物)
規則第百四十三條第一項第三號ニ依リ指定スル建築物左ノ如シ
一 木造ニ非サル建物但シ第二十九條ノ建物ヲ除ク
二 木造三階建物
三 建築面積五十坪以上ノ木造二階建物
四 建築面積百坪以上ノ木造平屋建物
五 法令規則又ハ本則ノ規定ニ依リ特ニ許可認可又ハ承認ヲ受クヘキ事項アル建築物
六 法第二十六條第二項ノ道路ニ接スル敷地ニ建築スル建築物
七 令第二十八條ノ建築物
八 其他府令ニ依リ警察取締ヲ要クヘキ用途ニ供スル建築物

規則第143条第1項第3号により指定するものは以下のとおりである
1号
木造以外の建築物。ただし第29条の建築物を除く
2号
木造3階建て建築物
3号
床面積50坪(165m2)以上の木造2階建て建築物
4号
床面積100坪(330m2)以上の木造1階建て建築物
5号
法、令、規則又は本則の規定により特に許可、認可又は了承を受ける事項のある建築物
6号
法第26条第2項の道路に接する敷地に建築する建築物
7号
令第28条の建築物
8号
その他府令により警察(消防)の取り締まりを要する用途に供する建築物


第十七條(提出書類)
規則第百四十三條ノ認可ヲ受ケムトスル者ハ左ノ事項ヲ具シ摘要書設計書及圖面ヲ添付シタル申請書正副二通ヲ當廳ニ提出スヘシ
一 建築主ノ氏名住所(法人ニ在リテハ其ノ名稱)事務所々在地代表者ノ資格氏名ヲ記入スルコト
二 建築工事管理者アルトキハ其ノ氏名住所
三 認可ヲ受ケムトスル事項
2
建築主未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人ノ準禁治産者ナルトキハ其ノ保佐人ノ妻ナルトキハ共ノ夫ノ連署ヲ要ス
3
必要ト認ムルトキハ第一項以外ノ圖書ヲ提出セシムルコトアルヘシ
4
大修繕大變更其ノ他之ニ類スル場合ニアリテハ其ノ工事ニ關係ナキ部分ノ圖書ヲ省略スルコトヲ得
5
建築物ニ非サル建築物ニ付亦同シ

規則第143条の許可を受けようとするものは、以下の事項を記入し、適用書、設計書、図面を添付した申請書、正副2通を当庁に提出すること
1号
建築主の氏名、住所(法人においてはその名称)事務所所在地、代表者氏名を記入すること
2号
建築工事管理者があるときは、その者の住所氏名
3号
許可を受けようとする事項
2項
建築主が未成年又は禁治産者のときはその法定代理人、準禁治産者のときはその保佐人、妻のときは、その夫の連署が必要である
3項
必要と認めるときは、第1項以外の図書を提出要求することがある
4項
大修繕、大変更その他これに類する場合がある場合、その工事に関係の無い部分の図書を省略することができる
5項
建築物に該当しない建造物(工作物など)も同様とする


今回は17条まで

2010年4月29日木曜日

市街地建築物法施行細則 大阪4

第十一條(屋上工作物)
物干物見臺等屋上工作物ニシテ面積二坪ヲ超ユルモノハ不燃材料(「モルタル」及漆喰ヲ除ク)ヲ以テ構造又ハ被覆スヘシ
2
屋上工作物ニ關シテハ前項ノ外指示スル所ニ依ルヘシ

物干し、物見台、屋上工作物にて床面積2坪(6m2)を超えるものは不燃材料(モルタル及び漆喰を除く)の構造又は被覆をすること
2項
屋上工作物に関しては、前項のほか、指定することがある



第十二條(延焼の恐れのある建築物)
火壁アル建築物ニ於テ屋窓装飾塔等ノ屋上突出部カ木造ニシテ延燒ノ虞アリト認ムルトキハ其ノ外部ヲ金屬又ハ鐵綱「コンクリート」ノ類ヲ以テ被覆セシムルコトアルヘシ

防火壁のある建築物において、天窓、装飾塔の屋上突出部が木造で延焼の恐れがあると認めるときは、外部を金属又は鉄網コンクリートの類で被覆すること


第十三條(営業用の煙突の規定)
汽罐螢業用風呂竈其ノ他多量ノ燃料ヲ使用スル設備ニ附屬スル煙突ノ高ハ別段ノ定メアルモノヲ除クノ外左記各號ニ依ルヘシ
一 石炭ヲ燃用スルモノ高六十尺以上
二 無煙炭ヲ燃用スルモノ高五十尺以上
三 薪木ヲ燃用スルモノ高四十尺以上
四 「コークス」ヲ燃用スルモノ高三十尺以上
2
煙突ノ高ハ燃料ノ量及土地ノ状況ニ依リ前項ノ外之ヲ伸長セシメ又ハ短縮認可スルコトアルヘシ

営業用ボイラー、営業用風呂釜その他多量の燃料を使用する設備に付属する煙突の高さは、特に定めがない限り、以下の各号による。
1号
石炭を燃料とするものは、高さ60尺以上(18m)
2号
無煙石炭を燃料とするものは、高さ50尺以上(15m)
3号
薪木を燃料とするものは、高さ40尺以上(12m)
4号
コークスを燃料とするものは、高さ30尺以上(9m)

2項
煙突の高さは燃料の量及び土地の状況により前項のほかこれを伸長する命令、又は短縮を認可することがある。



第十四條(壁の構造)
同一建築物ノ壁體二種以上ノ構造ヨリ成ルモノナルトキハ其ノ壁長及壁厚ニ付テハ規則第五十八條乃至第七十六條ノ適用ニ關シ制限ノ嚴ナルモノニ依ルヘシ

同一建築物の壁の種類が2種類以上ある構造による建物のときは、その壁長さ及び壁厚については規則第58条から第76条の適用に関し制限の厳しいものによること
規則第58条から第76条は、構造に関する規定である。

今回は14条まで

2010年4月28日水曜日

市街地建築物法施行細則 大阪3

第八條(下水道)
便所蓄舎等ヨリ排出スル汚物ヲ放流シ得ル下水道ハ之ヲ告示ス

便所畜舎等より排出する汚物を放流しえる下水道はこれを告示する
当時の下水道事情がわかるような条文ですね。


第九條(井戸)
雑用井戸ハ汲取便所及汚物溜ヨリ九尺以上ノ距離ヲ保有セシムヘシ但其ノ構造設備ニ依リ六尺迄酌斟認可スルコトアルヘシ
2
井戸ハ周圍及上部ヨリ汚水雨水等ヲ滲透浸入セサル様其ノ周圍ヲ石煉瓦「コンクリート」土管(素焼ヲ除ク)又ハ厚板ノ類ヲ以テ構造シ其ノ底ニハ深二尺以上川砂ヲ敷クヘシ但適當ニ接合シタル鐵管土管井戸ノ上部ニハ地面上高二尺以上ノ井筒ヲ使用スル鑿井ハ此ノ限リニ在ラス
3
井戸ノ上部ニハ地面上高二尺以上井筒又ハ井桁ヲ設備シ其ノ周圍又地盤面ハ耐水材料ヲ以テ之ヲ構造スヘシ

用井戸は汲み取り便所及び汚物ためより9尺(2.73m)以上の距離を離すこと。ただし構造設備等により6尺まで緩和認可することがある。
2項
井戸は周囲及び上部より汚水、雨水等を浸透、浸入させないように周囲を石、レンガ、コンクリート土管又は厚板の類をの構造とし、その底には深さ2尺以上川砂を敷くこと。ただし適当に接合した鉄管、土管、井戸の上部には地面より2尺以上の高さの井筒を使用する等の措置をした場合はこの限りでない。
3項
井戸の上部には地上より2尺以上の井筒又は井桁を設備し、その周囲又は地盤面は耐水材料を施した構造とすること


第十條(階段)
學校教會堂公會堂集會場寄宿舎合宿所「デパートメントストア」並病院工場其ノ他警察取締ヲ受クル用途ニ供スル建築物ノ階段ハ別段ノ定アルモノヲ除クノ外左記各號ニ依ルヘシ但シ局部用ノモノハ此ノ限ニ在ラス

一 階段ノ幅ハ内法三尺以上トシ踊場ノ幅及長ハ階段ノ幅以上ト爲スコト
ニ 蹴上七寸以下踏面七寸以上トシ各段均一ナラシムルコト(曲線階段ノ踏段幅ノ中心線ニ於テ之ヲ測算ス)
三 高サ十二尺ヲ超エルモノニ在リテハ高十二尺以下毎ニ踊場ヲ設クルコト
四 階段ニハ扶欄ヲ設クルコト
五 階段ハ螺旋状ト爲ササルコト

学校、教会、公会堂、集会場、寄宿舎、合宿所、デパート、病院、工場その他警察の取締りを受ける用途に供する建築物の階段は別途定める場合以外は下記の各号によること。ただし、局部用のものはこの限りでない。
警察の取締りを受ける用途に供する建築物とは、当時は消防も警察の仕事であったため、現在でいう消防法の規定、避難、防災規定を受けるものという意味である。
ただし書きの局部の用とは、機械室やペントハウス、点検用の用途のものである。
1号
階段の幅は内法3尺(90cm)以上とし、踊り場の幅及び長さは階段の幅以上とすること
2号
蹴上げ7寸以下踏み面7寸以上(21cm)とし、各段は均一のこと。(曲線階段の踏み面は踏み段の幅の中心線において計測する。現在は内側より30cmです。)
3号
高さ12尺(3.6m)を超えるものについては高さ12尺以下毎に踊り場を設けること
4号
階段には手摺を設けること(壁手すりです)
5号
階段はらせん状としないこと
全般的に現在より緩い基準ですね。


今回は10条まで

2010年4月27日火曜日

市街地建築物法施行細則 大阪2

第四條(工業地域に規制される用途)
令第三條第三號ニ依リ指定スル工場左ノ如シ
一 令第三條第二號ニ列擧セル引火性又ハ爆發性物品ノ加工工場
二 風呂罐湯沸罐鐵造煙突類ノ工場
三 「ボイル」油瓦土管類ノ工場
2
令第三條第五號ニ依リ指定スル建築物左ノ如シ
一 棉花、落綿、古麻布、古麻袋、古敷物、古俵、紙屑、皮革、獸毛、羽毛、穀類、穀粉類、豆粕藁等ヲ貯藏スル建築面積百坪以上ノ倉庫納屋及上屋
二 前號ノ物品ノ處理ニ供スル建築面積五十坪以上ノモノ

令第3条第3号により指定する工場は以下のとおりである。(行政が有害又は保安上危険な恐れがあると認めて指定する事業を営む工場)
1号
令3条2号に列挙する引火性又は爆発性物品の加工工場
2号
風呂ボイラー鋳造、製造、煙突類の工場
3号
ボイル油、瓦、土管類の工場
これらは共に爆発、粉塵の恐れがある工場です。
2項
令第3条第5号により指定する工場は以下のとおりである。
(可燃性物品を除く行政が有害又は保安上危険な恐れがあると認めて指定されたものを貯蔵又は処理する工場など)
1号
綿花、古麻布、古麻袋、古敷物、古俵、紙くず、皮革、獣毛、羽毛、穀類・穀粉・豆カス、ワラ等を貯蔵する床面積(ここでいう建築面積は延べ床面積と解釈できます)が100坪(330m2)以上の倉庫、納屋、上屋
2号
前号の物品の処理に供する床面積が50坪(165m2)以上のもの(加工場など)


第五條(建築線の指定)
從來存在スル幅員九尺以上ノ道路ニ於テハ道路幅ノ境界線ヨリ一尺五寸ヲ後退シタル線ヲ以ヲ建築線トス
2
令第三十條ノ道路又ハ幅員九尺未滿ノ道路通路二關シ若ハ道路通路ナキ區域ニ於テ必要ト認ムルトキハ別ニ建築線ヲ指定スルコトアルヘシ
3
前項ノ建築線ハ之ヲ告示ス

従来存在する幅員9尺(2.73m)以上の道路においては道路幅の境界線より1.5尺(45cm)を後退した線を建築線とする。
道路境界線より45cm後退させよということですね。


2項
令第30条の道路又は幅員9尺未満の道路の通路に関し、若しくは道路の通路無き区域において必要と認めるときは別途建築線を指定することがある。
令30条は行政の指定した道路又は土地区画整理により築造されたものです。

3項
前項の建築線はこれを告示する。



第六條(前面道路等による高さの設定)
建築物ノ敷地カ公園廣場河海ノ類アルトキハ令第七條乃至第九條ノ適用ニ付テハ前面道路ノ幅員ト公園廣場河海ノ類ノ幅員(又ハ對側迄ノ距離)トノ和ヲ超エサル限度ニ於テ令第七條第一項ノ一倍四分ノ一ヲ二倍同項但書ノ一倍二分ノ一ヲ二倍半迄斟酌認可スルコトアルヘシ
2
建築物ノ敷地カ道路ノ終端ニ位スルトキハ令第七條乃至第九條ノ適用ニ付テハ其ノ道路幅員ヲ前面道路幅員ト看徹シテ斟酌認可スルコトアルヘシ
3
建築物ノ敷地ノ地盤面カ前面道路ノ路面ヨリ五尺以上高キトキハ令七條第一項ノ適用ニ付其ノ高低ノ差ノ二分ノ一以下ノ増加ヲ認可スルコトアルヘシ
4
建築物ノ敷地カ高低ノ差著シキ二以上ノ道路ニ接スルトキハ其ノ低キ道路ニ接スル部分ニ付亦前項ニ準ス


建築物の敷地が公園、広場、河、海の類に接するときは、令第7条から第9条の適用については、前面道路の幅員と公園、広場、河、海の類の幅員(又は反対側までの距離)との和を超えない限度において令第7条第1項の1.25倍を2倍に、同項ただし書きの1.5倍を2.5倍まで緩和することがある。
令第7条は前面道路による高さの制限。

2項
建築物の敷地が道路の終端に位置する場合は、令第7条から第9条の適用については、道路幅員を前面道路の幅員とみなして高さを判断することとする

3項
建築物の敷地の地盤面が前面道路の路面より5尺(1.5m)以上高いときは、令第7条第1項の適用についてはその高低差の1/2以下の増加を認可することがある。

4項
建築物の敷地が高低差が著しい2以上の道路に接するときは、その低い道路に接する部分につき前項の規定に準ずる。


第七條(ただし書きによる建蔽率の緩和)
令第十四條第一項但書ノ適用ヲ受クルモノハ左記各號ノ一ニ該當スル敷地ニシテ水平ニ測リ敷地周圍ノ延長ノ五分ノ二以上カ建築線ニ接スル場合ニ限ル
一 道路幅員ノ和カ十二間以上ニシテ面積五百坪以下ノ角地
二 角地ニ非スシテ二以上ノ道路ニ接スル地區
2
前項ノ規定ハ公園廣場河海ノ類ニ接スル地區ノ場合ニ之ヲ準用スルコトアルヘシ

令第14条第1項ただし書きの適用を受けたものは、以下の各号に該当する敷地にて水平に測り、敷地周囲の延長の2/5以上が建築線に接する場合に限る。
令第14条第1項ただし書きとは、行政が指定した角地その他の区域における建築物についてはこれに限らないという規定です。
ちなみに、現在は多くの特定行政庁では1/3以上が接する場合となっている。

1号
道路幅員の和が、12間(21.6m)以上で、敷地面積500坪(1650m2)以下の角地


2号
角地ではないが、2以上の道路に接する地区(敷地の対面に道路がある場合など)

2項
前項の規定は公園、広場、河、海の類に接する地区の場合に準用することがある。

今回は7条まで

2010年4月26日月曜日

市街地建築物法施行細則 大阪1

大阪府令

市街地建築物法施行細則(府令第九十四號大正九年十二月一日)

第一條(定義)
本則ニ於テハ市街地建築物法ト同法施行規則ヲ規則ト稱略ス

本則において市街地建築物法は「法」と、同法施行規則を「規則」省略する。
施行令も定義すればいいのにね・・・条文中では「令」と省略されていますけど。



第二條(住居地域に規制される用途)
令第一條第九號ニ依リ指定スル建條物左ノ如シ

一 玩具用普通火工品鍛治金屬薄板細工(玩具類ヲ除ク)石細工、組紐、莫大小、起毛落線精製又ハ疊ノ作業場
二 高六十尺以上ノ煙突ヲ使用スル作業場
三 活動寫眞ノ撮影場遊覧所又ハ遊技揚(撞球場及大弓場ヲ除ク)
四 待合茶屋、席貸料理屋又ハ飲食店(料理屋及飯食店二在リテハ單ニ飲食物ヲ供給スルモノヲ除ク)
五 勸商場火藥商店又ハ煙火商店
六 射的場
七 精神病院傳染病院隔離病舎隔離所又消毒所
八 常時五頭以上ノ馬三頭以上ノ牛又ハ螢業ノ爲メ牛馬ヲ収容スル牛含厩牛馬市場搾乳場若ハ家畜病舎
九 禽畜飼養場
十 死畜取扱揚
十一 肥料貯藏所又ハ乾魚藏置所
十二 未消毒屑物ノ取扱所又ハ貯藏所


2
前項各號ノ一ニ該當スルモノト雖モ周圍ニ廣潤ナル空地アル場合ニ於テハ期日ヲ付シ特ニ認可スルコトアルヘシ



施行令の当初は第1条1項9号でしたが、後に1項10号になっています。要は行政が住居地域として生活を害する恐れがあると認めた場合は不可とする。という規定です。
1号
玩具用普通火薬火工品、金属板金作業場(玩具類は除く)、石細工作業場、組紐(時代劇っぽいな)、メリヤス工場(莫大小とはメリヤスのこと。要は洋服等の生地作業場のこと)、ウール・綿の精製製糸工場、又は畳の作業場
2号
高さ60尺(18m)以上の煙突を使用する作業場
3号
活動写真(映画)の撮影場、遊覧所(展望台の類)、又は遊技場(ビリヤード場、弓道場などは除く)
撞球場とはビリヤード場のこと。
4号
待合茶屋、席貸料理屋又は飲食店(料理屋及び大衆食堂においては、単に飲食物のみを供給するものは除く)
待合茶屋など呼び名は風流ですが、ぶっちゃけ風俗、売春行為をしていた場所です。席貸とは個室の意味でして、同伴喫茶や、街角に立っている女性を誘い・・・後は推し量ってください・・・。
純粋な飯屋や喫茶店は真っ当な商売ですから、風俗と一緒にされては叶いません。ここでいう飲食店とは、芸者遊びする料亭の意味です。
5号
観商場、火薬商店又は煙火商店
観商場とは、百貨店やマーケツトの前身のようなもので、狭い路地などに商店が立ち並んでいるような場所のこと。(かんしょうば)
火薬も煙火も似たようなものですが、煙火は花火を取り扱っている店、火薬はそれ以外の危険物を扱っている場所と解釈してください。
6号
射的場  これは風俗営業法でいうところの射的場と解釈しようと思ったのですが、次の3条にて商業地域で規制されています。よって、競技用弓場、ライフル等の練習場ということでしょうか?当時の解説が無いのでわかりません。
7号
精神病院、伝染病院、隔離病舎、隔離所、又は消毒所
一般病院、医院は対象になっていません。これらは特殊な扱いとされていました。
伝染病隔離病舎などは、実際は人里離れたようなところにしか許可されていませんでした。
8号
常時5頭以上の馬、3頭以上の牛、又は営業の目的で牛馬を収容する厩舎、せり市場、搾乳場、もしくは動物病院の類
9号
禽畜(牛、豚、鳥など)の飼育場
10号
死畜取り扱い場
11号
肥料貯蔵所又は乾魚貯蔵所 これらは臭いが出ますから、住居系では不可でしょうね。
12号
未消毒の屑物の取り扱い場又は貯蔵所

2項
前項各号に該当するものといえども周囲に広い空地がある場合においては期日をつけて特別に許可することがある。


第三條(商業値域に規制される用途)
令第二條第三號ニ依リ指定スル建築物左ノ如シ
一 前條第一項第二號第六號第九號第十號又ハ第十二號ニ該當スルモノ
ニ 搾乳場又ハ家畜病舎
2
前條第二項ノ規定ハ前項ノ建築物ニ適要ス

令第2条第3号により指定する建築物は以下のとおりである。これは商業地域において行政庁が規制する用途ということである。
1号
前条第1項の2号、6号、9号、10号、12号に該当するもの
2号
搾乳場又は動物病院(前条8号でないので、市、厩舎は可能)
2項
前条第2項の規定は前項の建築物に適用する。要は広い空地があれば許可することがある。


今回から大阪市を開始します。
とりあえず3条まで

2010年4月25日日曜日

市街地建築物法施行細則 東京5

第十六條(期日を経過した場合の許可証の効力)
起工期日ヲ經過スルコト六月ニシテ起工セサルトキ又ハ竣功期日ヲ經過スルコト一年ニシテ竣功セサルトハ建築認可證又ハ施行規則第百四十四條第一項ノ届出ハ其ノ効力ヲ失フ但シ其ノ期間内ニ延期ノ届出ヲ爲シタルモノハ此ノ限ラニ在ラス

着工期日を6ヶ月経過しても着工しなかった場合又は竣工期日を1年経過しても竣工しなかった場合は、建築許可証又は施行規則第144条第1項の届出は効力を失う。ただし、その期間内に延期の届出をしたものは、この限りでない
第144条は、着工前の届出に関する事項である。


第十七條(取り壊した場合の届出)
施行規則第百四十三條ノ認可ヲ受ケタル又ハ施行規則第百四十四條第一項ノ届出ヲ爲シタル建築物ヲ取毀シタルトキハ五日以内二届出ツヘシ

施行規則第143条の許可を受けた場合、又は施行規則第144条第1項の届出をした建築物を取り壊したときは、5日以内に届け出ること


第十八條(検査証票)
施行規則第百四十八條ノ規定ニ依ル證票ハ別記様式ニ依ル

施行規則第148条の規定による証票は別記様式による。
施行規則第148条は建築物等の検査に関する事項である。

附期
第十九條(別法の許可等による建築物)
他ノ法令ニ依リ警視総監ノ許可又ハ認可ヲ受クルヲ要スル建築物ニ在リテハ第八條第一項ノ規定ニ依ルノ外其ノ法令ニ依ル特殊ノ事項及圖書ヲ具シ之ヲ一括シ申請スヘシ
2
前項ノ規定二依ル申講ハ本令及他ノ法令二依ソ之ヲ爲シタルモノト看做ス

他の法律により警視総監の許可又は認可を受けることを要する建築物においては、第8条第1項の規定によるほか、法令による特殊な事項及び図書を表し一括申請すること。
2項
前項の規定による申請は本令及び他の法令によりこれを為したるものとみなす


第二十條(施行日)
本令ハ法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス

本令は施行の日より施行する

東京市(警視庁)これで終わります。

2010年4月23日金曜日

市街地建築物法施行細則 東京4

第十二條(用途区分等が変更になった場合の措置)
法適用區域ノ設立若ハ變更、地域若ハ地區ノ指定若ハ變更其ノ他ノ場合二於テ建築工事中ノ建築物又ハ建築工事ニ着手セサルモ設計アル建築物ヲ建築セムトスル者ハ其ノ設定、指定、若ハ變更アリタル日ヨリ三十日以内ニ第八條第一項各號ノ事項ヲ具シタル書類及設計圖書ヲ提出スヘシ但シ左ノ各號ノ一ニ該當スル建築物ニ付テハ此ノ限二在ラス

一 第八條ノ申請又ハ第十一條ノ届出ヲ爲シタルモノ
二 設定、指定若ハ變更アリタル日ヨリ三十日以名ニ竣功スヘキ建築工事中ノモノ
三 第六條第一號乃至第四號二該當セサル建築物ニシテ設定、指定若ハ變更アリタル日ヨリ六十日以内ニ竣功スヘキ建築工事中ノモノ

2
前項建築工事中ノモノニ在リテハ其ノ進捗ノ程度ヲ附記スヘシ

3
前各項ノ外必要ト認ムル圖書ヲ提出セシムルコトアルヘシ

4
第一項ノ建築物ニシテ支障ナシト認ムルモノニ付テハ建築許可證ヲ交付ス

法適用区域の設立もしくは変更、地域若しくは地区の指定若しくは変更その他の場合においては建築工事中の建築物又は建築工事に着手していないが設計のある建築物を建築しようとする者は、地域の設定、指定、変更のある日より30日以内に第8条第1項各号の事項を明示した書類及び設計図書を提出すること。ただし、以下の各号に該当する建築物についてはこの限りでない
1号
第8条の申請又は第11条の届出をしたもの
2号
設定、指定もしくは変更がある日より30日以内に竣工する建築工事中のもの
3号
第6条第1項から第4号に該当する建築物にて設定、指定もしくは変更のある日より60日以内に竣工する建築工事中のもの
2項
前項建築工事中のものにおいては、進捗状況を記入すること
3項
前各号のほか、必要と認める図書の提出を求めることがある
4項
第1項の建築物にて、支障がないと認めるものについては、建築許可証を交付する


第十三條(変更等が生じた場合の届出)
第八條第一項又ハ前條ノ規定二依リ申請又ハ提出ニ係ル建築物ノ工事竣功前第八條第一項第三號乃至第七號、第九條又ハ第十條ノ事項ヲ變更セムトスルトキハ關係圖書ヲ具シ申請シ認可ヲ受クヘシ
2
前項ノ建築物ニ使用認可證交付前第八條第一項第一號、第二號又ハ第八號ノ事項二變更ヲ生シタルトキハ五日以内ニ届出ツヘシ

3
第十一條第一項ノ規定ニ依リ届出ヲ爲シタル建築物ノ工事竣功前第十一條第二項又ハ第三項ノ事項ニ變更ヲ生シタルトキハ五日以内二届出ツヘシ
4
建築工事ヲ中止シタルトキハ五日以内ニ届出ツヘシ


第8条第1項又は前条の規定により、申請又は提出にかかる建築物の工事竣工前第8条第1項第3号から第7号、第9条又は第10条の事項を変更する場合は、関係図書に必要事項を記載し、申請し許可を受けること
2項
前項の建築物に使用許可証交付前に第8条第1項第1号、第2号又は第8号の事項に変更が生じたときは、5日以内に届け出ること
3項
第11条第1項の規定により、届出をした建築物の工事竣工前に第11条第2項又は第3項の事項に変更が生じたときは、5日以内に届け出ること
4項
建築工事を中止したときは5日以内に届け出ること



第十四條(許可証の備え付け)
建築工事中ハ建築場二申請書ノ副本及建築認可證又ハ其ノ寫ヲ備へ當該吏員ノ要求アリタルトキハ之ヲ提示スヘシ

建築工事中は建築現場に申請書の副本及び建築許可証又はその写しを備え、当該検査員の要求があるときは、提示すること


第十五條(中止命令)
建築工事ニシテ左ノ各號ノ一ニテ該富スル卜キハ建築工事ノ中止ヲ命スルコトアルヘシ
一 保安上危險ト認ムルトキ
二 衛生有害ト認ムルトキ
三 法、施行令、施行規則、本令又ハ之ニ基キテ發スル命令ニ違反シテ工事ヲ爲シタルトキ

建築工事中に、以下の項目に該当する場合は建築工事の中止を命じることがある
1号
保安上危険と認めるとき
2号
衛生上有害と認めるとき
3号
法、施行令、施行規則、本令(施行細則)又はこれに基づき発する命令に違反して工事をした場合

15条まで

2010年4月22日木曜日

市街地建築物法施行細則 東京3

第九條(設計図書に記載すべき事項)
前第一項ノ設計書ニハ左ノ事項ヲ具備スルコトヲ要ス
一 圖面ニ示シ難キ構造設備、材料ノ種類寸法其他仕様ノ梗概
二 鐵骨造建築物、鐵筋「コンクリート」造建築物其他特殊ノ構造ノモノニ在リテハ其ノ構造強度計算
三 昇降機、給水、排水、煖房、消火、避雷其ノ他ノ設備アルモノハ其ノ構造

前第1項の設計書には以下の事項を記載すること
1号
図面に示すことが難しい構造設備、材料の種類寸法その他仕様の概要
2号
鉄骨造建築物、鉄筋コンクリート造建築物その他特殊な構造のものにおいては、その構造強度計算
3号
昇降機、給水、排水、暖房、消火、避雷その他の設備があるときは、その構造


第十條(図面等に明示する事項)
第八條第一項ノ圖面左ノ如シ但シ第六條第一號乃至第四號ノ一ニ該當セサル建築物ニアリテハ第二號乃至八號ノ圖面ヲ省略スルコトヲ得

配置圖(方位、敷地、境界線、建築線、建築物、四隣通路、排水路等ヲ明示シ且其ノ大サ及相互間ノ距離ヲ記入スヘシ)
縮尺五十分ノ一、百分ノ一、二百分ノ一、三百分ノ一、又ハ六百分ノ一

各階平面圖(方位、各室ノ用途及大サ、各室ノ床面積及採光面積等ヲ明示スヘシ)縮尺五十分ノ一、百分ノ一、又ハ二百分ノ一

斷面圖(建築物ノ高、軒高、階高、床高基礎道路等ヲ明示スヘシ)縮尺五十分ノ一、百分ノ一、又ハ二百分ノ一

立面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハ二百分ノ一)

基礎平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハニ百分ノ一)

各階床組平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハニ百分ノ一)

小屋組平面圖(縮尺五十分ノ一、百分ノ一又ハニ百分ノ一)

構造上緊要ナル部分ノ詳細圖

前條第三號ノ設備アルモノハ其ノ圖面

2
前項第一號乃至第三號ノ圖面ニ既存ノ建築物アルトキハ其ノ部分ト申請ニ係ル部分トヲ着色其ノ他ノ方法ニ依リ區別スヘシ

3
第一項第三號ノ斷面圖縮尺五十分ノ一ニシテ構造上緊要ナル部分、主要材料ノ種類大サ等ヲ明示シタルモノナルトキハ第一項第八號ノ詳細圖ヲ省略スルコトヲ得

第8条第1項の図面は以下のものとする。ただし、第6条第1号から第4号に該当する建築物においては第2号から第8号の図面を省略することができる。
1号
配置図(方位、敷地、境界線、建築線、建築物、周辺の通路、排水路等を明示し、かつ、その大きさ及び相互間の距離を記入すること。縮尺1/50、1/100、1/200、1/300、1/600)
2号
各階平面図(方位、各室の用途及び大きさ、各室の床面積及び採光面積等を明示すること。縮尺1/50、1/100、1/200)
3号
断面図(建築物の高さ、軒高、階高、床高、基礎、道路等を明示すること。縮尺1/50、1/100、1/200)
4号
立面図(縮尺1/50、1/100、1/200)
5号
基礎伏図(縮尺1/50、1/100、1/200)
6号
各階の伏図(縮尺1/50、1/100、1/200)
7号 
小屋組伏図(縮尺1/50、1/100、1/200)
8号 
構造上主要な部分の詳細図
9号 
前条第3号の設備があるときは、その図面

2項 
前項第1号から第3号の図面に既存の建築物があるときは、その部分と申請に係る部分とを着色その他の方法により区別すること

3項 
第1項第3号の断面図が縮尺1/50にて構造上主要な部分、主要材料の種類、大きさ等を明示したものなどのときは、第1項第8号の詳細図を省略することができる

第十一條(届出日及び提出書類)
施行規則第百四十四條第一項ノ届書ハ起工十日以前ニ之ヲ提出スヘシ

2
前項ノ届書ハ第八條第一項各號ノ事項ヲ具シ第八條ノ設計書及第十條ノ配置圖及各階平面圖ヲ添附スルコトヲ要ス

3
前項ノ外必要ト認ムル圖書ヲ提出セシムルコトアルヘシ

施行規則第144条第1項の届出は、着工10日以前に提出すること
2項
前項の届出は、第8条第1項各号の事項を表し、第8条の設計図書及び第10条の配置図及び各階平面図を添付することを要する。
3項
前項のほか、必要と認める図書の提出を求めることがある


今回は11条まで

2010年4月21日水曜日

市街地建築物法施行細則 東京2

第六條(申請を要する規模の建築物)
施行規則第百四十三條第一項第三號ノ規定ニ依リ指定スル建築物左ノ如シ
一 建築面積百坪以上ノ平家
二 建築面積七十坪以上ノ二階家
三 階數三以上ノモノ
四 高五十尺以上ノモノ
五 他ノ法令ニ依リ警視総監ノ許可又ハ認可ヲ受クルヲ要スルモノ
六 施行規則第百四十三條第一項第一號又ハ前各號ノ一ニ該當スル建築物ノ敷地内ニ建築スルモノ
七 警視廳告示ヲ以テ指定シタル建築線ニ接スル敷地ニ建築スルモノ
八 幅員九尺未滿ノ道路ニ接スル敷地ニ建築スルモノ
九 道路ヲ占有シテ建築スル紀念門、紀念塔ノ類

施行規則第143条第1項第3号の規定により指定する建築物は以下のとおりである。
施行規則143条とは、工事執行における許可で、地方長官が指定する建築物をいう
つまり、この規模のものを建築する場合には許可が必要だということになる。
1号
床面積100坪(330m2)以上の平屋建て
2号
床面積70坪(230m2)以上の2階建て
3号
階数3以上のもの
4号
高さ50尺(15m)以上のもの
5号
他の法令により警視総監の許可又は認可を受ける必要のあるもの
6号
施行規則第143条第1項第1号又は前各号に該当する建築物の敷地内に建築するもの
施行規則第143条第1項第1号とは市街地建築物法第14条で指定されている特殊建築物である。又、既に1~5号の規模のものがある同一敷地内に増築する場合も届出が必要である。
7号
警視庁告示をもって指定した建築線に接する敷地に建築するもの
8号
幅員9尺未満の道路に接する敷地に建築するもの
現行法の2項道路に接するようなものは次の第7条に指定されているものを除いて必要であるということ。

9号
道路を占有して建築する記念門、記念塔などの類



第七條(届出の必要のない規模の建築物等)
施行規則第百四十四條第二項ニ依リ届出ヲ要セサル建築物左ノ如シ
一 建築面積十二坪以下其ノ高十五尺以下ノモノ
二 高九尺以下ノ墻壁又ハ之ニ附屬スル門戸ノ類
2
前條第四號又ハ前項ノ高トハ地盤面ヨリ建築物ノ最高部迄ノ高ヲ謂フ

施行規則第144条第2項により届出を要しない建築物は以下のものである。
施行規則第144条第2項は地方長官が軽微なもので届出の必要ないものを指定している。
1号
床面積12坪(40m2)以下で、その高さが15尺(4.5m)以下のもの
2号
高さ9尺(2.7m)以下の垣壁又はこれに付属する門扉の類


2項
前条第4号(高さ規模)又は前項の高さとは、地盤面より建築物の最高部までの高さをいう。


第八條(届出に記載すべき事項)
施行規則第百四十三條ノ認可ヲ受ケムトスル者ハ左ノ事項ヲ具シ設計書及圖面ヲ添附シタル申請書正副二通ヲ提出スヘシ但シ規模大ナル建築物ニシテ設計書又ハ第十條第一項第四號乃至第九號ノ圖面ヲ同時ニ添附シ難キ事情アリト認ムルトキハ之ヲ區分シ提出セシムルコトアルヘシ
一 建築主ノ氏名及住所(法人ニ在リテハ其ノ名稱、事務所所在地、代表者ノ氏名及住所)
二 建築工事管理者、設計者又ハ工事監督主任者アルトキハ其ノ氏名及住所
三 使用ノ目的
四 敷地ノ地名番號
五 敷地面積ノ坪數
六 敷地内建築面積ノ合計坪數(既存建築物アルトキハ其ノ建築面積ト申請ニ係ル建築面積トヲ區別スベシ)
七 各建築物ニ付其ノ構造種別、高、軒高、階數、各階面積ノ坪數、延坪數
八 起工期日及竣功期日
2
前項ノ外必要ト認ムル圖書ヲ提出セシムルコトアルヘシ
3
第一項ノ申請ヲ爲シタル後建築工事管理者又ハ工事監督主任者ヲ定メタルトキハ五日以内ニ届出スヘシ

施行規則第143条の許可(建築許可)を受けようとするものは、以下の事項を記載し、設計図書及び図面を添付した申請書、正副2通を提出すること。ただし大規模な建築物で設計図書又は第10条第1項第4号から第9号の図面を同時に添付することが難しい事情があると認めた場合は、これを区分して提出させることがある。
1号
建築主の氏名及び住所(法人においては、その名称、事務所所在地、代表者の氏名及び住所)
2号
建築工事管理者、設計者又は工事監督主任者があるときはその氏名住所
3号
使用目的
4号
敷地の地名地番
5号
敷地面積の坪数
6号
敷地内建築面積の合計坪数(既存建築物があるときは其ノ建築面積と申請に係る建築面積とを区別すること)
7号
各建築物につき、構造の種別、高さ、軒高、階数、各階床面積、延べ面積
8号
着工日及び工期


2項
前項のほか、必要と認める図書を提出することがある。


3項
第1項の申請をした後、建築工事管理者又は工事監督主任者を定めたときは、5日以内に届出をすること

今回は8条までアップ

2010年4月20日火曜日

市街地建築物法施行細則 東京1

警視廳令
市街地建築物法施行細則
(大正九年十二月一日 警視廳令第三十三號)

第一條(定義)
本令ニ於テ法ト稱スルハ布街地建築物法、施行令ト稱スルハ市街地建築物法施行令、施行規則ト稱スルハ市街地建築物法施行規則ヲ謂フ

本例において法と称するは市街地建築物法、施行令と称するは市街地建築物法施行令、施行規則と称するは市街地建築物法施行規則をいう。

第二條(届出)
法、施行令、施行規則及本令ニ依ル申請書又ハ届書ハ所轄警察官署ヲ經由シ警視廳ニ提出スヘシ

法、施行令、施行規則及び本令による申請書又は届出書は所轄警察署を経由し、警視庁に提出すること

第三條(申請者)
本令ニ依ル申請又ハ届ハ未成年者又ハ禁治産者ナルトキハ其ノ法定代理人、準禁治産者ナルトキハ其ノ保佐人、妻ナルトキハ其ノ夫ノ連署ヲ要ス法定代理人、保佐人又ハ夫ニ變更アリタルトキハ三日以内二届出ツヘシ

本令による申請又は届けは未成年者又は禁治産者のときは法定代理人、準禁治産者のときは保佐人、妻のときは夫の連署を要する法定代理人、保佐人又は夫に変更があるときは、3日以内に届け出ること。

禁治産者、準禁治産者などは、民法の上での用語だが、現在は差別的ということで民法が改定されており、制限行為能力者といった用語になっている。
無能力者として、以前は行為無能力者、未成年者、禁治産者、準禁治産者といった区分があったが、現在は(平成16年の民法改正)未成年者、成年被後見人、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被補助人というように区分されている。
なんだかオブラートにかけてわかり難くしただけのような気もするけど・・・。
尚、戦前は女性も法定行為無能力者であったので、夫の連署が必要だった。



第四條(道路による建築線の指定)
幅員六尺以上九尺未滿ノ道路ニ在リテハ道路ノ中心線ヨリ各四尺五寸ノ線ヲ以テ建築線トス但シ必要ト認ムルトキハ別ニ建築線ヲ指定ス

幅6尺(1.8m)以上、9尺(2.7m)未満の道路の場合、道路の中心線より4.5尺(1.35m)の線を建築線とする。ただし、必要と認められるときは、別途建築線を指定する。


第五條(申請書に記入する事項)
建築線ノ指定ヲ受ケムトスル土地ノ所有者ハ左ノ事項ヲ具シ申請スヘシ
一 申請者ノ氏名及住所(法人ニ在リテハ其ノ名稱、事務所所在地、代表者ノ氏名及住所)
二 關係土地ノ地名番號
三 申請ノ理由
四 申請二係ル建築線ノ位置及建築線間ノ距離
五 附近地圖(關係道路及其幅員、建築線ノ位置建築物等ヲ明示スヘシ)
六 關係土地所有者、使用權者及建築物所有者ノ氏名及佳所
2
前項第六號ニ該當スル者ノ承諾アルトキハ其ノ承諾書ヲ添附スヘシ

建築線の指定を受けようとする土地の所有者は以下の事項を記載し、申請すること
1号
申請者の氏名及び住所(法人においては、その名称、事務所所在地、代表者の氏名及び住所)
2号
関係土地の地名地番
3号

申請理由
4号
申請に係る建築線の位置及び建築線間の距離
5号
付近見取図(関係道路の幅員、建築線の位置、建築物等を明示すること)
6号
関係土地の所有者、使用権者及び建築物所有者の住所氏名

2項
前項第6号に該当する者の承諾があるときは、承諾書を添付すること


今回から各地域の施行細則を掲載。
第一弾は東京です。
5条まで掲載

2010年4月19日月曜日

市街地建築物法施行規則 43

第百四十七條(使用許可証)
地方長官第百四十三條ノ建築物竣功ノ届出ヲ受ケ支障ナシト認メタルトキハ遲滞ナク建築物使用認可證ヲ交付スヘシ但シ申請者ノ講求ニ依リ建築物ノ竣功セル部分ニ對シ使用認可證ヲ交付スルコトヲ得

前項ノ使用認可證ヲ受ケタル後ニ非サレハ建築物ヲ使用スルコトヲ得ス

地方長官は第143条の建築物が竣工した届出を受け、支障が無いと認めたときは、遅滞無く建築物使用許可証を交付すること。ただし、申請者の請求により建築物の竣工した部分に対し、使用許可証を交付することが出来る

2項
前項の使用許可証を受けた後に、違法等がわかれば建築物を使用することが出来ない


第百四十八條(建築物等の検査)
地方長官ハ吏員ヲ派シ建築物及建築工事ヲ臨檢セシムルコトヲ得
2
前項ノ場合二於テ臨檢者ハ其ノ證票ヲ携帯スヘシ
3
第一項ノ場合ニ於テ建築主、建築工事講負人、建築工事管理者又ハ建築物ノ所有者若ハ占有者檢査ニ必要ナル準備ヲ命セラレタルトキハ之ヲ拒ムコトヲ得ス
4
前項準備ノ費用ハ建築主又ハ建築物所有者ノ負擔トス

地方長官は吏員(検査員)を派遣し、建築物及び建築工事を臨検することができる
2項
前項の場合において検査員は検査員証を携帯すること
3項
第1項の場合において、建築主、建築工事請負人、建築工事管理者または建築物の所有者もしくは占有者は検査に必要な準備を命じられた場合は、これを拒むことはできない。
4項
前項の準備の費用は建築主又は建築物所有者の負担とする



第百四十九條(取締りの規定)
地方長官ハ建築工事ノ認可申請、届出又ハ其ノ變更ノ手續其ノ他建築工事ノ取締ニ關シ本則ニ定ムルモノノ外必要ナル規定ヲ設クルコトヲ得

地方長官は建築工事の許可申請、届出又はその変更の手続きその他建築工事の取り締まりに関し、本則に定めるもののほか、必要な規定を設けることが出来る。



附則
第百五十條(地方長官)
本則中地方長官トアルハ東京府ニ於テハ警視總監トス

本則による地方長官とは、東京府においては警視総監とする。
大阪府、愛知県、神奈川県、兵庫県、京都府等も市街地建築物法が施行されているが、この場合も警察のトップが地方長官である。

第百五十一條(施行日)
本則ハ市街地建築物法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス

本則は市街地建築物法の施行の日より施行する

これにて施行規則は終了です。

2010年4月16日金曜日

市街地建築物法施行規則 42

第六章  工事執行

第百四十三條(許可)
左ノ各號ノ一ニ該當スル建築物ノ新築、增築、改築、移轉、大修繕又ハ大變更ヲ爲サムトスルトキハ地方長官ノ認可ヲ受クヘシ
一 市街地建築物法第十四條ノ建築物
二 防火地區及美觀地區内ノ建築物
三 其ノ他地方長官ノ指定スル建築物

建築物ノ用途ヲ變更シテ前項第一號又ハ第三號ニ充テントスルモノ亦同シ

以下の各号に該当する建築物の新築、増築、改築、移転、大規模の修繕又は大変更を行うときは、地方長官の許可を受けること
1号
市街地建築物法第14条の建築物
2号
防火地区及び美観地区内の建築物
3号
その他地方長官の指定する建築物

2項
建築物の用途を変更して、前項第1号又は第3号にする場合も同じとする



第百四十四條(着工前の届出)
前條ニ該當セサル建築物ノ新築、增築、改築、移轉、大修繕又ハ大變更ヲ爲サムトスルトキハ地方長官ニ届出ツヘシ
地方長宮ハ命令ノ規定ニ依リ輕微ナルモノニ付前項ノ届出ヲ爲サシメサルコトヲ得

前条に該当する建築物の新築、増築、改築、移転、大規模の修繕又は大変更を行うときは、地方長官に届け出ること
2項
地方長官は命令の規定により、軽微なものについては前項の届出をする必要が無い旨を指定できる



第百四十五條(建築許可証の交付)
地方長官第百四十三條ノ認可申請ニ付支障ナシト認ムルトキハ建築認可證ヲ交付スヘシ

地方長官は第143条の許可申請につき、支障ないものと認めるときは建築許可証を交付すること

第百四十六條(竣工等の届出)
第百四十三條及第百四十四條ノ建築工事竣功シタルトキ及地方長官ノ特ニ指定シタル工程ニ達シタルトキハ地方長官二届出ツヘシ

第143条及び第144条の建築工事が竣工した場合及び地方長官の指定した工程に達したときは、地方長官へ届出をすること

新章(最終章です)146条まで

2010年4月15日木曜日

市街地建築物法施行規則 41

第五章  美觀地區

第五章  美観地区

第百三十六條(美観地区の改修命令)
地方長官ハ美觀地區内ニ在ル建築物ニシテ環境ノ風致ヲ害シ又ハ街衢ノ體裁ヲ損スト認ムルトキハ其ノ除却、改修其ノ他ノ必要ナル措置ヲ命スルコトヲ得

地方長官は美観地区内にある建築物にて環境の風致を害し又は街並み(衢は「ちまた」と読みます)の体裁を損なうと認めるときは除却、改修その他必要な措置を命ずることが出来る。


第百三十七條(美観地区の設計変更命令)
地方長官ハ美観地區内ニ建築スル建築物ノ意匠ニ關スル設計ニシテ環境ノ風致ヲ害シ又ハ街衢ノ體裁ヲ損スト認ムルトキハ其ノ設計ノ變更ヲ命スルコトヲ得

地方長官は美観地区内に建築する建築物の意匠に関する設計にて環境の風致を害し又は街並みの体裁を損なうと認めたときは設計の変更を命ずることが出来る。


第百三十八條(美観地区の高さ等の指定)
地方長官美觀上必要アリト認ムルトキハ美觀地區内二一定ノ區域ヲ指定シ其ノ區域内ノ建築物ノ高、軒高又ハ外壁ノ材料及主色ヲ指定スルコトヲ得

地方長官は美観上必要があると認めるときは美観地区内に一定の区域を指定し、区域内の建築物の高さ、軒高さ又は外壁の材料及び主色を指定することが出来る。


第百三十九條(指定命令の大臣許可)
地方長官前三條ノ措置又ハ指定ニシテ重要ナリト認ムル事項二關シテハ主務大臣ノ認可ヲ受クヘシ

地方長官は前3条の措置又は指定にて重要と認めた場合に関して、大臣の許可を受けること

第百四十條(美観地区内の汚損)
美觀地區内ニ在ル建築物ノ外部汚損セルトキハ速ニ之ラ修理スヘシ

美観地区内にある建築物の外部が汚損するときは速やかに修理すること

第百四十一條(煙突等の位置)
美觀地區内ニ在ル建築物ノ排水管、排氣管、煖房鐵管、瓦斯管及煙突ノ類ハ特二地方長官ノ許可ヲ受ケタル場合ヲ除クノ外之ヲ道路、廣場又ハ公園ニ面スル壁面ニ露出セシムルコトラ得ス

美観地区内にある建築物の排水管、排気管、暖房鉄管、ガス管及び煙突の類は、特別に地方長官の許可を得た場合を除き、道路、広場又は公園に面する壁面に露出してはならない

第百四十二條(美観地区内の塀等)
美觀地區内ニ在ル建築敷地ニシテ未タ建築物ナキモノ又ハ建築工事着手中ノモノハ板塀ノ類ヲ以テ體裁ヨク之ヲ園繞スヘシ但シ適當ナル整理ヲ爲シ特二地方長官ノ許可ヲ受ケタルモノハ此ノ限二在ラ

美観地区内にある建築用敷地にて建築物が無いもの又は建築工事着手中のものは板塀の類をもって体裁よく並べ構築すること。ただし適当な整理をし、特別に地方長官の許可を受けたものはこの限りでない。

美観地区の章です。142条まで

2010年4月14日水曜日

市街地建築物法施行規則 40

第百ニ十九條 (乙種防火戸を設ける基準)
乙種防火地區内ニ在ル建物ノ窓及出入口ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ甲種防火戸又ハ乙種防火戸ヲ設クヘシ但シ鐵骨網入硝子造ニシテ其ノ面積四十平方尺以内ノ窓又ハ其ノ屋根、床、柱及階段耐火構造ナル建物ノ窓ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス

乙種防火地区内にある建物の窓及び出入口にて下記の各号に該当するときは甲種防火戸又は乙種防火戸を設けること。ただし鉄骨網入りガラス造にて面積40尺2(3.6m2)以内の窓又は屋根、床、柱及び階段が耐火構造となる建物の窓においてはこの限りでない。

一 其ノ面スル道路ノ對側境界線ヨリ三間未滿ノ距離ニ在ルトキ但シ建築線道路境界線ト一致セサル場合ニ在リテハ建築線ヲ以テ道路境界線ト着做ス
二 隣地境界線又ハ隣接建物ニ面シ其ノ水平距離三間未滿ナルトキ
三 隣地境界線又ハ隣接建物ヨリノ水平距離三間未滿ノ位置二在ルトキ但シ窓ノ枠及組子鐵造又ハ金属板ヲ以テ被覆セルモノハ此ノ限ニ在ラス




その面する道路の反対側の境界線より3間(5.4m)未満の距離にあるとき。ただし建築線が道路境界線と一致しない場合には建築線をもって道路境界線とみなす。
2号
隣地境界線又は隣接建物に面し水平距離3間(5.4m)未満のとき
3号
隣地境界線又は隣接建物より水平距離3間(5.4m)未満の位置にあるとき。(こちらは一部分の扱い)ただし窓の枠及び組子が鉄造又は金属板をもって被覆されるものはこの限りでない。

2
公園、廣場、河、海等ノ空地ニ面スル窓ニ付テハ前項ノ規定ノ適用ニ於テ其ノ空地ヲ道路ト看做ス

2項
公園、広場、河、海等の空地に面する窓については前項の規定の適用において、その空地を道路とみなす



第百三十條 (乙種防火地区内の屋根の構造)
乙種防火地區内ニ在ル建物ノ屋根ヲ金属板ヲ以テ被覆スルトキハ其ノ野地ヲ厚一寸以上ノ不燃材料ヲ以テ構成スへシ

乙種防火地区内にある建物の屋根は金属板をもって被覆すること。ただし厚さ1寸(3cm)以上の不燃材料をもって構成した野地(屋根下地)を有するときはこの限りでない。


第百三十一條(界壁)
防火地區内ニ在ル建物ノ界壁ハ防火壁ト爲スヘシ

防火地区内にある建物の界壁は防火壁とすること


第百三十二條(防火壁内外の規定)
建物防火地區ノ境堺線外二亘ル場合ニ於テハ其ノ全部ニ對シ防火地區内ノ建物ニ關スル規定ヲ適用ス但シ其ノ建物ノ部分ヲ成ス防火壁ニシテ防火地區外ニ在ルトキハ其ノ防火壁外ノ部分二付テハ此ノ限ニ在ラス

建物が防火地区の境界線外にわたる場合においては、建物全部に対して防火地区内の建物に関する規定を適用する。ただし、その建築物の部分をなす防火壁にて防火地区外にあるときは防火壁外の部分はこの限りでない。


第百三十三條 (2種の防火地区にわたる場合の規定)
建物甲種防火地區及乙種防火地區ニ亘ル場合ニ在リテハ其ノ全部ニ對シ甲種防火地區内ノ建物ニ關スル規定ヲ適用ス但シ其ノ建物ノ部分ヲ成ス防火壁ニシテ甲種防火地區外ニ在ルトキハ其ノ防火壁外ノ部分ニ付テハ此ノ限二在ラス

建物甲種防火地区及び乙種防火地区にわたる場合においてはその全部に対して甲種防火地区内の建物に関する規定を適用する。ただしその建物の部分をなす防火壁にて甲種防火地区外にあるときは、その防火壁外の部分についてはこの限りでない。


第百三十四條(防火壁の構造の準用)
前三條ノ防火壁二付テハ第三十條ノ規定ヲ準用ス

前3条の防火壁については第30条(防火壁の構造)の規定を準用する。


第百三十五條
地方長官ハ防火地區内二在ル建築物ニ關シ本令ノ規定ノ外火災豫防上必要ナル命令ヲ發シ又ハ處分ヲ爲スコトヲ得

地方長官は防火地区内にある建築物に関し本令の規定の他、火災予防上必要な命令を発し、又は処分をすることができる。

今回で防火地区の章が終わります。
135条まで

2010年4月13日火曜日

市街地建築物法施行規則 39

第百ニ十六條 (乙種防火地区内の構造)
乙種防火地區内ニ在ル建物ハ其ノ外壁ヲ耐火構造又ハ準耐火構造ト爲スヘシ

乙種防火地区内にある建物は外壁を耐火構造又は準耐火構造とすること


第百ニ十七條(準耐火構造)
前條ノ準耐火構造トハ左ノ各號ノ一ニ該當スル構造ヲ謂フ

一鐵骨造ニシテ外部ヲ生子板張ト爲シタルモノ
ニ鐵骨造又ハ木造ニシテ外部ニ左ノ各號ノ一ニ該當スル被覆ヲ爲シタルモノ
イ 外面ニ石、煉瓦又ハ人造石ノ類ヲ用ヰ其ノ厚三寸以上ノモノ
ロ 瓦貼ノ上ニ「セメント、モルタル」塗トシ厚合計一寸二分以上ノモノ
ハ 厚一寸二分以上ノ「セメント、モルタル塗」又ハ「コンクリート」塗
ニ 「セメント、モルタル」塗ノ上ニ化粧煉瓦貼トシ厚合計一寸二分以上ノモノ
ホ 木骨土藏造シテ塗土、漆喰等ノ厚合計三寸以上ノモノ
三 其ノ他地方長官之ニ準スト認メタルモノ

前条の準耐火構造とは、以下の各号に該当する構造をいう
1号
鉄骨造にて外部を波形亜鉛引き鉄板としたもの
生子板(なまこいた)は波型鉄板のことをいいます。現場などでは広義で樹脂等の波型も「なまこ」ということもあります。
2号
鉄骨造又は木造にて外部に以下の各号に該当する被覆をしたもの
イ 外面に石、レンガ又は人造石を用い、厚さ3寸(9cm)以上のもの
ロ 瓦貼りの上にセメント、モルタル塗りとし、厚さ3.2寸(9.6cm)以上のもの
ハ 厚さ1.2寸(3.6cm)以上のセメント、モルタル塗り又はコンクリート塗り
ニ セメント、モルタル塗りの上に化粧レンガ貼りとし、厚さ合計1.2寸以上のもの
ホ 木骨土蔵造りにして塗り土、漆喰等の厚さ合計3寸(9cm)以上のもの
3号
その他地方長官がこれに準ずると認めたもの



第百二十八條 (乙種防火地区内の材料)
乙種防火地區内ニ在ル建物ノ軒、軒蛇腹、屋窓、装飾塔ノ類ハ不燃材料ヲ以テ構成シ又ハ被覆スヘシ

乙種防火地区内にある建物の軒、軒蛇腹、屋窓(天窓)、装飾塔等は不燃材料にて構成すること

128条まで

2010年4月12日月曜日

市街地建築物法施行規則 38

第百二十二條(甲種防火地区内の屋根の構造)
甲種防火地區内ニ在ル建物ノ屋根ハ耐火構造ト爲スヘシ但シ厚一寸五分以上ノ不燃材料ヲ以テ構成シタル野地ヲ有スルトキハ此ノ限二在ラス

甲種防火地区内にある建物の屋根は耐火構造とすること。ただし厚さ1.5寸(4.5cm)以上の不燃材料をもって構成した野地(屋根下地)を有するときはこの限りでない。


第百二十三條(主要構造部を耐火構造としなければならないもの)
甲種防火地區内ニ在ル建物ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルモノハ其ノ床、柱及階段ヲ耐火構造ト爲スヘシ

一 建築面積二百坪以上ニシテ階數二以上ノモノ
ニ 建築面積百坪以上ニシテ階數三以上ノモノ
三 階數四以上ノモ

甲種防火地区内にある建物にて以下の各号に該当するものは、床、柱及び階段を耐火構造とすること。

1号 建築面積200坪以上(660m2)のものにて階数2以上のもの
2号 建築面積100坪以上(330m2)のものにて階数3以上のもの
3号 階数4以上のもの


第百二十四條(耐火構造の緩和)
甲種防火地區内ニ在ル建物ニシテ道路ニ面セサルモノハ其ノ高十八尺ヲ、軒高十二尺ヲ、建築面積十二坪ヲ超過セサル場合ニ限リ乙種防火地區内ニ在ル建物ニ關スル規定二依ルコトヲ得但シ地方長官建物ノ用途ニ依リ火災豫防上危険ノ虞アリト認ムルモノハ此ノ限ニ在ラス

甲種防火地区内にある建物にて道路に面するものは高さ18尺(5.4m)、軒高12尺(3.6m)、建築面積12坪(40m2)を超えない場合に限り、乙種防火地区内にある建物に関する規定によることとできる。
ただし、地方長官が建物の用途により火災予防上危険な恐れがあると認めた場合は、この限りでない。


第百二十五條(塀等の構造)
甲種防火地區内ニ在ル墻壁ハ不燃材料ヲ以テ構成スヘシ

甲種防火地区内にある垣壁は不燃材料をもって構成すること

125条まで

2010年4月9日金曜日

市街地建築物法施行規則 37

第四章 防火地區

第四章 防火地区

第百十八條(防火地区の種類)
防火地區ハ甲種防火地區及乙種防火地區ノ二種トス

防火地区は甲種防火地区及び乙種防火地区の2種とする
現在でも、防火地区、準防火地区の区分けがあるので、理解しやすいです。



第百十九條(防火地区内の構造)
甲種防火地區内ニ在ル建物ハ其ノ外壁ヲ耐火構造ト爲スヘシ

甲種防火地区にある建物は、その外壁を耐火構造とすること
これも、現在と同じですね。



第百二十條(甲種防火地区内の材料)
甲種防火地區内二在ル建物ノ軒、軒蛇腹、屋窓、装飾塔ノ類ハ不燃材料ヲ以テ構成スへシ

甲種防火地区内にある建物の軒、軒蛇腹、屋窓(天窓)、装飾塔等は不燃材料にて構成すること


第百二十一條(甲種防火戸を設ける基準)
甲種防火地區内ニ在ル建物ノ窓及出入口ニシテ左ノ各號ノ一ニ該當スルトキハ甲種防火戸ヲ設クヘシ但シ鐵骨網入硝子造ニシテ其ノ面積三十平方尺以内ノ窓又ハ屋根、床、柱及階段耐火構造ナル建物ノ窓ニ在リテハ此ノ限ニ在ラス

甲種防火地区内にある建物の窓及び出入口にて下記の各号に該当するときは甲種防火戸を設けること。ただし鉄骨網入りガラス造にて面積30尺2(2.7m2)以内の窓又は屋根、床、柱及び階段が耐火構造となる建物の窓においてはこの限りでない。

一 其ノ面スル道路ノ對側境界線ヨリ六間未滿ノ距離ニ在ルトキ但シ建築線道路境界線ト一致セサル場合ニ在リテハ建築線ヲ以テ道路境界線ト看徹ス
二 隣地境界線又ハ隣接建物ニ面シ其ノ水平距離六間未滿ナルトキ
三 隣地境界線又ハ隣接建物ヨリノ水平距離六間未滿ノ位置ニ在ルトキ但シ窓ノ枠及組子鐵造又ハ金属板ヲ以テ被覆セルモノハ此ノ限二在ラス

1号
その面する道路の反対側の境界線より6間(10.8m)未満の距離にあるとき。ただし建築線が道路境界線と一致しない場合には建築線をもって道路境界線とみなす。
2号
隣地境界線又は隣接建物に面し水平距離6間(10.8m)未満のとき
3号
隣地境界線又は隣接建物より水平距離6間(10.8m)未満の位置にあるとき。(こちらは一部分の扱い)ただし窓の枠及び組子が鉄造又は金属板をもって被覆されるものはこの限りでない。


2
公園、廣場、河、海等ノ空地ニ面スル窓ニ付テハ前項ノ規定ノ適用ニ於テ其ノ空地ヲ道路ト看做ス

2項
公園、広場、河、海等の空地に面する窓については前項の規定の適用において、その空地を道路とみなす

今回から新章です。
121条までアップ

2010年4月8日木曜日

市街地建築物法施行規則 36

第百十五條
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ縦横ニ鐵筋ヲ有スル長方形版四邊ヲ過シテ支承物ヲ有スル場合ニ於テハ左式ニ依リ算定シタルモノヲ下ラサル範團内二於テ其ノ荷重ヲ兩張間ニ分賦スルコトヲ得


w  等布荷重
l  一方ノ張間
b  lニ直角ナル張間
W1 lヲ張間トスルモノニ分賦スル等布荷重
Wb  bヲ張間トスルモノニ分賦スル等布荷重

鉄筋コンクリート構造において縦横に鉄筋を有する長方形スラブ4辺を固定としたした支承物を有する場合においては以下の式により算定したものを下回らない範囲内において荷重を両張間に2分割することができる

w:等分布荷重
L:一方の張間
b:Lに直角な張間
W1:Lを張間とするものに2分割する等分布荷重
Wb:bを張間とするものに2分割する等分布荷重

スラブ長辺をL、短辺をbとするようです。


第百十六條 (連続梁の曲げ応力算定)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於テ三個以上ノ等張間ヲ有スル連梁又ハ連版等布荷重又ハ一様ナル對稱集中荷重ヲ受クル場合ノ強度計算ニ適用スヘキ正負曲能率ハ左ノ規定ニ依ルモノヲ下ルヘカラス

鉄筋コンクリート構造において3個以上の等張り間を有する連続梁又は連続スラブの等分布荷重又は一様な対称の集中荷重を受ける場合の強度計算に適用すべき正負曲げモーメントは以下の規定によるものを下回らないこと


兩端以外ノ張間二於ケル正曲能率ハ各張間ニ付單梁ト假定シテ得ヘキ曲能率圖二於テ最大曲能率ノ値其ノ位置ニ於テ其ノ三分ノ二トナル様基線ヲ平行ニ移動シタル場合ニ付テ之ヲ度ルコト

1号
両端以外の張間における正曲げモーメントは各張り間につき単純梁と仮定して曲げモーメント図を描き、最大曲げモーメントの値の位置において、その2/3となるように基線を平行に移動した場合についての値とする。



兩端以外ノ張間ニ於ケル負曲能率ハ各張間ニ付單梁ト假定シテ得ヘキ曲能率圖ニ於テ其ノ支點ニ於ケル負曲能率カ單梁トシテノ最大正曲能率ノ三分ノ二ニ達スル迄基線ヲ平行ニ移動シタル場合ニ付テ之ヲ度ルコト

2号
両端以外の張間における負曲げモーメントは各張り間につき単純梁と仮定して曲げモーメント図を描き、その支点における負曲げモーメントが単純梁としての最大曲げモーメントの2/3に達するまで基線を平行に移動した場合についての値とする。



最終支點單ニ支持セラレタル場合ニ在リテハ終端張間ニ於ケル最大正曲能率ハ第一號ノ規定ニ依リ定メタル最大正曲能率ニ其ノ十分ノ二ヲ加へ最終支點ノ曲能率ヲ零トシ次ノ支點二於テ第二號ノ規定ニ依リ定メタル負曲能率ニ其ノ十分ノ五ヲ加フルコト

3号
最終支点を単に支持された場合においては、終端張間における最大正曲げモーメントは第1号の規定により定めた最大正曲げモーメントに、その20%を加え最終支点の曲げモーメントを0とし、次の支点において、第2号の規定により定めた負曲げモーメントに、その50%を加えることとする。


2
荷重、張間又ハ支承ノ状態前項以外ノ場合ニ於テハ前項ノ主旨ニ基キ適當ニ其ノ正負曲能率ヲ定ムヘシ

2項
荷重、張間又は支承の状態は前項以外の場合においては、前項の主旨に基づき適当にその正曲げモーメントを定めること


第百十七條 (大きな曲げ応力が発生した場合の措置)
構造ノ状況ニ依リ大ナル曲能率ヲ生スヘキ柱ハ其ノ曲能率ニ依ル應力度ヲ加算シテ其ノ大サヲ定ムヘシ

構造の状況により大きな曲げモーメントが生じる柱、又は曲げモーメントによる応力度を加算して、その大きさを定めること。

今回は115条から117条までです。

2010年4月7日水曜日

市街地建築物法施行規則 35

第百十二條 (合成応力度算定)
應壓力ト曲能牽トヲ併有スル構材ノ合成應力度ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ下ルヘカラス
fc 合成應壓力度
M 曲能率
S 應壓側ニ對スル斷面率
P 應壓力
A 斷面積
l 主要ナル支點間ノ距離
r 曲能率ニ依ル斷面ノ中軸二對スル二次率半徑但シ木材ニ在リテハ曲能率二依ル面ノ中軸ニ直角ナル徑
C 第百七條ノ定數但シ木材二在リテハ之ヲ〇.〇二トス

圧縮力と曲げ牽引力とを併用する構材の合成応力度は以下の式により算定するものを下回らないこと

fc:合成圧縮応力度
M:曲げモーメント
S:圧縮側に対する断面率
P:圧縮力
A:断面積
l:主要な支点間の距離
r:曲げモーメントによる断面の中軸に対する二次半径、ただし木材においては曲げモーメントによる面の中軸に直角になる径
C:第107条の定数。ただし木材においては0.02とする

2
前項ノ合成應壓力度ハ第百二條ノ應壓力度ヲ超過スヘカラス

前項の合成圧縮応力度は第102条の圧縮応力度を越えてはならない


第百十三條(鉄筋コンクリート造の梁及びスラブの厚さ)
鐵筋「コンクリート」構造ニ於ケル梁又ハ版ノ張間ハ其ノ支承物間ノ中心距離ヲ以テ之ヲ度ルモノトス但シ支承物間ノ内法距離ニ梁ノ丈又ハ版ノ厚ヲ加ヘタルモノヲ以テ之ニ代フルコトヲ得

鉄筋コンクリート構造における梁又はスラブの張間は、支承物間の中心距離をもって求めることとする。ただし支承物間の内法距離に梁のせい、又はスラブの厚さを加えたものをもってこれに代えることが出来る

梁又ハ版ノ支端ニ持送アル場合ニ於ケル張間ハ持送ノ厚カ梁ノ丈又ハ版ノ厚ノ一・三倍ニ達スル部分ヨリ之ヲ起算ス

2項
梁又はスラブの支点端に片持ち梁(片持ちスラブ)がある場合における張間は、片持ち梁等の厚さが梁のせい又はスラブの厚さの1.3倍に達する部分より起算すること


第百十四條 (梁とスラブが一体となった場合の扱い)
鐵筋「コンクヲート」構造ニ於テ梁ト版トヲ適當ニ連結シタル場合ニ在リテハ之ヲ丁梁ト看做スコトヲ得但シ此ノ揚合二於ケル丁梁ハ其ノ張間ノ四分ノ一以内、版ノ厚ノ十二倍以内ノ幅ヲ有スルモノトシテ之ヲ算定スヘシ

鉄筋コンクリート構造において梁とスラブとを適当に連結した場合においては、丁梁とみなすことができる。ただしこの場合における丁梁はその張間の25%以内、スラブの厚さの12倍以内の幅を有するものとして算定すること

今回は112条から114条までです。

2010年4月6日火曜日

市街地建築物法施行規則 34

第百十條(曲げモーメント)
應曲材ニ對スル曲能率ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス

M 曲能率
fb 第百二條ノ應曲力度
S 斷面率

曲げ応力材に対する曲げモーメントは以下の式により算定したものを超過してはならない
M:曲げモーメント
fb:第102条の曲げ応力度
S:断面率

曲能率は曲げモーメントのことですね。なんとなく理解できます。


第百十一條(鉄筋コンクリート造の単筋梁の曲げモーメント)

鐵筋「コンクリート」ノ單筋矩形梁又ハ版内二中軸ヲ有スル單筋丁梁ニ對スル曲能率ハ左ノ各式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス


M 曲能率
n1 中軸比(梁ノ應壓端ヨリ中軸迄ノ距離ト梁ノ有効丈トノ比)
fc 第百二條ノ「コンクリート」ニ對スル應壓力度
ft 第百二條ノ鐵筋ニ對スル應張力度
m 對筋比
b 梁ノ幅
d 梁ノ有効丈

鉄筋コンクリートの単筋矩形梁又はスラブ内に中軸を有する単筋T型梁に対する曲げモーメントは以下の式により算定したものを超過してはならない

M:曲げモーメント
n1:中軸比(梁の圧縮応力端より中軸までの距離と梁の有効せいとの比)
fc:第102条のコンクリートに対する圧縮応力度
ft:第102条の鉄筋に対する引張応力度
m:対筋比
b:梁の幅
d:梁の有効せい



単筋梁とは引張側にしか鉄筋が入っていない梁のこと
丁梁とは、当時の技術解説本(鐵筋コンクリート構造設計規準 1932/07)に「矩形梁がスラブと一体として構造せられたる場合には之を丁梁と看做す事を得」とあるので、T型梁のことを指すのであり、決して丁張の誤りではありません。

2
前項ノ中軸比ハ左式ニ依ル

前項の中軸比は以下の式による

今回は110条、111条です。

2010年4月5日月曜日

市街地建築物法施行規則 33

第百七篠 (鉄骨造の圧縮力)
應壓鐵材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス

圧縮鉄材に対する荷重は以下の式により算定した値を超えてはならない

P 荷重
A 斷面積
fc 第百二條ノ鐵材ニ對スル應壓力度
l 主要ナル支點間ノ矩離
r 斷面ノ最小二次率半徑但シ鐵柱ニシテ其ノ周圍ノ構造ニ依リ撓ミノ方向ニ制限アルモノハ其ノ斷面ノ適當ナル軸ニ對スル二次率半徑ト爲スコトヲ得
C 定數

P:荷重
A:断面積
fc:第102条の鉄材に対する圧縮応力度
l:主要な支点間の距離
r:断面の最小二次半径、ただし鉄柱にて周囲の構造により、たわみの方向に制限があるものはその断面の適当な軸に対する二次半径とすることができる。
C:定数

2
鋼及練鐵ニ在リテハ〇.〇〇三トシ其ノ兩支端囘轉自由ナルトキハ〇.〇〇四、鑄鐵ニ在リテハ〇.〇〇五トス
2項
定数は、鋼及び練鉄においては0.003とし、その両端が回転端又は自由端のときは0.004、鋳鉄においては0.005とする。





第百八條 (木造の圧縮力)
應壓木材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス

圧縮木材に対する荷重は以下の式により算定したものを超えてはならない

P 荷重
A 断面積
fc 第百二條ノ木材二對スル應壓力度
l 主要ナル支點間ノ距離
d 斷面ノ最小徑

P:荷重
A:断面積
fc:第102条の木材に対する圧縮応力度
l:主要な支点間の距離
d:断面の最小径




第百九條 (鉄筋コンクリート造の圧縮力)
應壓鐵筋「コンクリート」材ニ對スル荷重ハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス

圧縮鉄筋コンクリートに対する荷重は以下の式により算定したものを超えてはならない

P 荷重
fc 第百二條ノ「コンクリート」ニ對スル應壓力度
Ac 「コンクリート」ノ有効斷面積
As 主筋ノ斷面積

A:断面積
fc:第102条のコンクリートに対する圧縮応力度
Ac:コンクリートの有効断面積
As:主筋の断面積


2
前項有効斷面積ハ其ノ主筋ノ外側線内ノ面積トス

2項
前項の有効断面積はその主筋の外側線内の面積とする


3
適當ナル巻筋ヲ有スル應壓「コンクリート」材ニ在リテハ第一項ノ「コンクリート」ニ對スル應壓力度ヲ一平方糎ニ付五十五瓩迄增加スルコトヲ得但シ此ノ場合二於ケル巻筋ノ中心距離ハ八糎ヲ超過スヘカラス

3項
適当な巻筋を有する圧縮コンクリート材においては、第1項のコンクリートに対する圧縮応力度を1cm2につき55kgまで増加することができる。ただしこの場合における巻筋の中心距離は8cmを超過してはならない。
巻筋はフープ、スターラップのことです。


4
應壓鐵筋「コンクリート」材ニシテ其ノ主要ナル支點間ノ距離其ノ最小徑ノ十五倍ヲ超過スルモノニ在リテハ別二適當ナル算式ニ依リ之ヲ算定スヘシ

4項
圧縮鉄筋コンクリート材にてその主要な支点間の距離は、その最小径の15倍を越えるものについては、別に適当な算式によりこれを算定すること。

今回は107条から109条までです。

2010年4月4日日曜日

市街地建築物法施行規則 32

第百五條 (積載荷重)
強度計算ニ適用スル各種床動荷重ノ最小限左ノ如シ

強度計算に適用する各種床動荷重の最小限値は以下のとおりである
床動荷重は積載荷重のことです。
現在っぽく置き換えます。

2
倉庫、書庫、作業場等ニ付テハ其ノ實況二應スル適當ナル動荷重ニ依ルヘシ
3
本條ノ動荷重ハ其ノ實況ニ應シ小梁ニ對シテハ其ノ十分ノ一以内ヲ、大梁ニ對シテハ其ノ十分ノ二以内ヲ、柱ニ對シテハ其ノ十分ノ三以内ヲ減スルコトヲ得但シ倉庫、書庫、集會室、劇場棧敷、陳列室等ニ對シテハ本項動荷重ノ輕減ヲ爲スコトヲ得ス
 
2項
倉庫、書庫、作業場等については、その状況に応じて適当な積載荷重によること
3項
本条の積載荷重はその状況に応じ小梁に対してはその10%以内を、大梁に対しては、その20%以内を、柱に対してはその30%を減ずることが出来る。ただし、倉庫、書庫、集会室、劇場桟敷、陳列室等に対しては本項積載荷重の軽減をすることはできない。



第百六條 (打設おもりの荷重)
杭打基礎ニ於ケル杭ニ對スル荷重ハ墜錘ヲ使用スル場合ニ在リテハ左式ニ依リ算定セルモノヲ超過スヘカラス

くい打ち基礎における杭に対する荷重は、墜錘(おもり)を使用する場合においては以下の式により算定したものを超えてはならない

P 荷重
W  錘ノ重量
H 錘ノ落高(米)
D 杭ノ最終沈下(米)

P:荷重
W:おもりの重量
H:おもりの落下高さ(m)
D:杭の最終沈下量(m)

2
「コンクリート」杭ニシテ其ノ完全ニ凝結セサルモノニ對シテハ前項ノ算式ヲ適用セス
3
前項ノ場合及汽錘ヲ使用シタル揚合ニ在リテハ地方長官ハ荷重試験ノ施行ヲ命スルコトヲ得

2項
コンクリート杭にて完全に凝結したものに対しては前項の算定指揮を適用しない
3項
前項の場合及び汽錘を使用した場合においては地方長官は荷重試験の施行を命ずることが出来る

汽錘は動力式ハンマーです。蒸気機関やディーゼル機関などが該当します。

今回は105条、106条です。

2010年4月3日土曜日

市街地建築物法施行規則 31

第百三條 (弾率比)
鐵筋「コンクリート」構造ノ強度計算ニ於テハ鐵ト「コンクリート」トノ彈率比ヲ十五ト爲スダヘシ

鉄筋コンクリート構造の強度計算において鉄とコンクリートとの弾率比を15までとすること。

弾率比とは現在では聞いたことがない概念ですが、コンクリートの応力変形曲線(考え方では直線と仮定している)と、鉄筋の弾性係数との比をいいます。
コンクリートの応力変形は圧縮力に対するもの、鉄筋は引張力によるものですが、現在では材料ごとに告示指定されており、このような規定は必要無くなったようです。
コンクリート黎明期には第102条にもあるように、材料比率なども一定でなく、品質管理上問題点もあったので必要だったのでしょう。


第百四條 (鉄筋の付着)
鐵筋「コンクリート」構造ノ強度計算ニ於ケル應滑力度ハ一平方糎ニツキ七瓩ヲ超過スヘカラス但シ異形鐵筋ヲ使用スル揚合ニ在リテハ其ノ形状ニ依リ地方長官ノ許可ヲ受ケ之ヲ十瓩迄ト爲スコトヲ得

鉄筋コンクリート構造の強度計算における応滑力度は1cm2につき7kgを超過してはならない。ただし異型鉄筋を使用する場合においては、その形状により地方長官の許可をうけてこれを10kgとすることができる。

応滑力度とは付着応力度ですね。現在は上端筋とその他の鉄筋により計算値が定められており、丸鋼7kg(上端)なら、現在の値に置き換えてもほぼ同じです。
異型についてはコンクリート強度により異なります。

今回は103条、104条です

2010年4月2日金曜日

市街地建築物法施行規則 30

第七 強度計算

第百一條 (材料の単位重量)
強度計算ニ適用スル各種材料ノ重量ノ最小限左ノ如シ
強度計算に適用する各種材料の最小限の重量は以下のように規定する

現代風にすると・・・
比重ですからあたりまえですが、このあたりは現在と大差ありません。



第百二條 (材料の応力度)強度計算ニ於テ建築物ノ各部分ニ生スヘキ應力度ハ各種材料二付左ノ限度ヲ超過スヘカラス

強度計算において建築物の各部分に生ずる応力度は各種材料につき以下の限度を超過してはならない

現在風にすると・・・



2
前表ニ於ケル「コンクリート」ノ調合割合ハ容積ヲ以テシ「セメント」ハ千四百瓩ヲ以テ一立方米トス
3
品質特ニ劣等ナリト認ムルモノニ對シテハ地方長官ハ第一項ノ限度ヲ低下セシムルコトヲ得

2項
前表におけるコンクリートの調合割合は容積をもっての値とし、セメントは1400kgをもって1m3とする

3項
品質が特に劣っている等認められるものに対しては、地方長官は第1項の限度を低下させないことができる

現在の基準からみると引張力について高めですね。全体の数値も結構小さい部分あります。

今回は101条、102条です。